2005 Fiscal Year Annual Research Report
変異ヒトγδ型T細胞受容体の立体構造解析による非ペプチド性抗原認識機構の解析
Project/Area Number |
16590402
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 義正 京都大学, 生命科学研究科, 助手 (90280700)
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Keywords | γδ型T細胞 / 結晶化 / 大腸菌 / クローニング / リフォールディング / カラムクロマトグラフィー / 分子動力学 / 分子篩 |
Research Abstract |
本年度は、ヒトγδ型T細胞受容体の細胞外領域をそれぞれ大腸菌で発現させ、リフォールディング後、結晶化し、その構造を2.2≠フ解像度で決定した。具体的には、まず、γ鎖およびδ鎖の細胞外領域をそれぞれクローニングし、T7プロモーターを有する発現ベクターに組み入れた。原配列のままでは全く発現が見られなかったため、分子動力学的手法を用いてステムループの除去を行った。さらに、大腸菌コドンインデックスが0.65以上になるようにコドン置換を行い、また、プリファレンスインデックスにより大賜菌型コドン置換も行った。このようにして、γ鎖およびδ鎖を大腸菌1リットル培養で100mg以上の収率で発現させることが可能になった。ここで得られた封入体をグアニジン溶液に溶解し、DTT処理後、アルギニンベースの緩衝液に迅速希釈してリフォールディングを行った。透析後、タンパクの精製を行ったが、その際、pIから判断してpHを5.5に調製し陽イオン交換カラムクロマトグラフィーに供した。さらに、分子篩により最終的な精製を行い、結晶化用タンパク標品とした。結晶化のスクリーニングは、市販のキットと当研究室で作製したキットを用いて行った。その結果、PEG4000ベースの緩衝液でタンパク質が結晶化することが明らかになった。この結晶をインハウスのX線発生装置で解析した結果、3£□xの回折点が得られたため、SPring8で高解像度のデータを採取した。データ解析はワークステーションで行い、次のような統計値を得た。空間群:P21、格子:60.82、77.35、100.12、90.00、95.00、90.00、回折点:314,713、独立回折点:65,401、解像度:1.90、完全性:91.4、重複性:4.8、フィファインメント:15-1.90。以上のようにヒトγδ型T細胞受容体の構造が高解像度で決定できた。
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Research Products
(6 results)