2005 Fiscal Year Annual Research Report
生体適合性高分子材料を基材としたマウス及びヒト人工リンパ節の構築とその応用
Project/Area Number |
16590408
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Research Institution | National Institute of Biomedical Innovation |
Principal Investigator |
末松 佐知子 独立行政法人医薬基盤研究所, 基盤的研究部免疫細胞制御プロジェクト, プロジェクトリーダー (50250345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 武 独立行政法人理化学研究所, 免疫監視機構研究ユニット, ユニットリーダー (40028684)
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Keywords | 人工リンパ組織 / ストローマ細胞 / 生体適合性高分子マトリクス / 二次リンパ組織 / 抗原特異的免疫反応 / SCIDマウス / ケモカイン |
Research Abstract |
我々は1)二次リンパ組織の発生と適応免疫誘導メカニズムの解明、及び2)免疫不全状態や悪性腫瘍などの治療への応用、の2つを目的として人工リンパ組織構築に関する研究を続けている。「二次リンパ組織の構造と機能を模倣した人工リンパ組織を構築するためにはストローマ細胞、サイトカイン、及び3次元構造を作るための足場となる生体適合性高分子マトリクスの3要素が必須である」という仮説を立て、様々な3要素の組み合わせと移植の方法を試した結果、我々が樹立した株化ストローマ細胞を用いてマウスに導入後3週間で明確に区別されるT細胞領域とB細胞領域、高内皮細静脈、濾胞樹状細胞ネットワークや胚中心など、二次リンパ組織の免疫組織としての基本構造を備えた「人工リンパ組織」を構築する方法を開発した。また、この人工リンパ組織が抗原特異的抗体産生能を有しており、SCIDマウスに移植した場合にも抗原の静脈内投与後、速やかに抗原特異的IgGアイソタイプ抗体の産生が誘導されることを示した。 さらに、我々が人工リンパ組織構築に用いている株化ストローマ細胞が人工リンパ組織の構築に中心的な役割を果たしている事、及び骨髄由来活性化樹状細胞を加えることにより人工リンパ組織構築の効率と適応免疫反応が著しく増強される事が明らかになったため、人工リンパ組織構築の過程で株化ストローマ細胞に活性化樹状細胞との相互作用によってケモカインを含むサイトカイン、あるいは接着因子等の分子の発現が誘導された可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)