2005 Fiscal Year Annual Research Report
Foxp3の発現制御に関わるレギュラトリーT細胞への分化決定因子の探索
Project/Area Number |
16590413
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
中野 直子 東京理科大学, 生命科学研究所, 助教授 (90222166)
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Keywords | レギュラトリーT細胞 / Foxp3 / 分化決定 |
Research Abstract |
レギュラトリーT細胞は胸腺で未熟T細胞が分化しT細胞レセプターの選択が行われるとき、異なった系列のT細胞として分化する。転写制御因子であるFoxp3の発現がレギュラトリーT細胞分化における決定因子であるが、未熟な胸腺細胞の集団から通常のT細胞に分化する細胞と、Foxp3の発現誘導が行われレギュラトリーT細胞へ分化するものとの振り分けは何によってなされるのか不明な点が多い。T細胞レセプターによって適度なアフィニティーで認識される抗原とそのT細胞レセプターの両方を発現するトランスジェニックマウスの胸腺において、胸腺細胞は発現させた抗原を認識し、あるものはネガティブセレクションによって除去されるが、かなりの割合の細胞がFoxp3を発現するCD4+CD25+レギュラトリーT細胞へと分化する。一方、T細胞レセプターのみのトランスジェニックマウスでは、その認識する抗原を持たないため胸腺細胞のネガティブセレクションもレギュラトリーT細胞への分化もおこらない。これらのマウスの胸腺細胞中、胸腺細胞の選択が行われるダブルポジティブ胸腺細胞からCD4+胸腺細胞を集め転写因子の発現を比較した。T細胞分化に必須であるGATA3,胸腺細胞の選択のレギュレーターであることが示唆されているTOXの発現は両者の胸腺細胞で発現レベルに差が認められなかった。CD4胸腺細胞分化に関わっているc-Kroxの発現は通常のポジティブセレクションを受ける細胞では高かったがレギュラトリーT細胞分化がおこる胸腺細胞では発現が殆ど認められなかった。Foxp3の発現はレギュラトリーT細胞へ分化がおこる胸腺細胞でのみ認められた。そこで、レギュラトリーT細胞への分化が誘導される胸腺細胞とレギュラトリー細胞への分化が起こらない胸腺細胞を用い、胸腺細胞の選択が行われるCD4+CD8+と選択を受けたCD4+CD8^<low>細胞をFACSによりソーティングしRNAを抽出した。レギュラトリーT細胞分化に関わる因子を同定するために、これらのRNAからcDNAを合成し、PCRを用いたcDNAサブトラクションを行いレギュラトリーT細胞分化がおきる胸腺細胞でのみ発現している遺伝子を単離した。これらの中からレギュラトリーT細胞分化に関わる遺伝子を現在探索している。
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