2004 Fiscal Year Annual Research Report
記憶応答におけるPLC‐γ2を介するBCRシグナルの役割の解析
Project/Area Number |
16590414
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
疋田 正喜 独立行政法人理化学研究所, 分化制御研究グループ, 上級研究員 (60228715)
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Keywords | PLC-γ2 / 記憶応答 / BCRシグナル / クラススイッチ / IgG1 / Cre recombinase / B細胞 / リンパ球分化 |
Research Abstract |
Phospholipase C(PLC)-γ2の記憶応答における役割を明らかにする目的で、我々が作製したPLC-γ2コンディショナルノックアウトマウスとIgG1-Creマウスを交配した。IgG1-Creマウスにおいては、γ1 germline transcriptを合成するように分化した細胞においてのみCre recombinaseを発現する。そのため、未熟B細胞が成熟B細胞に分化する過程は、まったく正常に行われ、その後、抗原等に反応してIgG1へとクラススイッチした細胞においてPLC-γ2が欠落する。このことから、IgG1クラスの記憶応答と他のクラスの記憶応答を比較することにより、PLC-γ2を介するシグナルが記憶応答において果たしている役割を厳密に明らかにすることが出来ると期待される。 本研究年度においては、上に述べたようにPLC-γ2 flox/IgG1-Creマウスにおいて、IgG1l陽性細胞で実際にCre recombinaseが発現し、機能的であるか否かを検討した。その結果、IgM陽性成熟B細胞においては、予想通りPLC-γ2遺伝子座は、loxP配列に挟まれた領域が保存されていた。また、in vitroでIgM陽性細胞をIgG1陽性細胞へと分化させる刺激である、LPS + IL4によってIgG1陽性細胞に分化したIgG1l陽性細胞においては、Cre recombinaseの発現が認められ、PLC-γ2遺伝子座においてloxP配列間の領域が欠失していることが明らかとなった。これらの結果から、本研究で作製したPLC-γ2 flox/IgG1-Creマウスが当初の実験計画どおりの表現型を持っていることが明らかとなった。
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