2004 Fiscal Year Annual Research Report
医療事故防止を目的とした体験型トレーニング教材の開発
Project/Area Number |
16590422
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中島 和江 大阪大学, 医学部附属病院, 助教授 (00324781)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平出 敦 京都大学, 医学研究科, 教授 (20199037)
高階 雅紀 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30221352)
武田 裕 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20127252)
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Keywords | 医療安全 / 医療事故防止 / インフォームドコンセント / 診療記録 / チーム医療 / 体験型学習 / シミュレーション / DVD-ROM |
Research Abstract |
医療事故防止につながる行動やチームワーク等に関して実践的な教育ツールがないため、医学生及び研修医に対する体験型トレーニング教材(DVD-ROM)開発を目的として、シナリオを作成した。ある侵襲的な処置を行った後1時間を経過した頃に、患者の状態が急変し、救命処置及び集中治療を行ったにもかかわらず死亡したというケースで、その中にいくつかの臨床上の問題点が提示されている。 1)処置前のインフォームドコンセント:説明対象者は適切であったか(患者本人にだけ説明を行った)。発生確率は稀であるが重大な結果を伴う合併症についての説明はどのように行われたか(出血、発熱、疼痛についてのみ説明をした)。詳しい説明文書を用いて説明がなされたか(説明文書は作成されていたが、患者の入院病棟が本疾患の専門病棟と異なる病棟であったためこの文書が置かれておらず、口頭のみで説明を行い診療記録にも記載をしなかった)。 2)処置中の患者観察:処置中の患者の状態はどうであったか、患者観察は適切に行われたか(処置に立ち会ったスタッフ、検査中のバイタルサイン、検査時間と処置内容について記録がなされなかった)。 3)急変前後の対応:帰室後の患者観察は適切であったか(研修医は、看護師に処置後の観察や安静度について指示を求められ、本処置について全く経験がなかったが指導医に確認をとることなく、一般的な血管撮影に準じた指示を出した)。急変前後の対応は適切であったか(患者急変の連絡を受けかけつけた指導医は、診察、血液検査、画像検査等の必要な処置を行い、出血性ショックの診断及びその原因の探索を行ったが、これらについてカルテに記載をしなかった)。 4)緊急血管造影及び塞栓術:検査中の患者の状態はどうだったか(夜間の緊急検査のため看護師による介助・記録がなかったが、応援医師の誰も検査中の経皮的動脈血酸素飽和度や血圧等について記録を行わなかった)。
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Research Products
(5 results)