2005 Fiscal Year Annual Research Report
感染症危機管理のための住民意識調査とそれに基づく流行予測・予防施策評価技法の開発
Project/Area Number |
16590423
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
梯 正之 広島大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (80177344)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
烏帽子田 彰 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (50168811)
西山 美香 広島文教女子大学, 人間科学部, 助教授 (00363052)
山口 扶弥 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 助手 (60352051)
稲葉 寿 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (80282531)
中澤 港 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40251227)
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Keywords | 感染症 / 予防 / シミュレーション / エージェントモデル / 個人ベースモデル |
Research Abstract |
本研究の目的は、地域住民の感染症に対する態度・予防意識・行動パターンをアンケート調査し、それをもとに、一定の条件下での感染症の流行予測をシミュレーションにより実施することにより、さまざまな予防施策の効果評価を行ない、最適な予防施策を提言することである。想定している感染は、SARS、西ナイル熱、インフルエンザ、日本脳炎、麻疹、風疹、結核など、新興感染症・再興感染症を中心に、予防上重要なもの・住民になじみの深いものである。また、調査する態度・予防意識・行動パターンには、予防接種を受けるかどうか、日頃から予防に気をつけていること(うがいや手洗いを心がけているかどうかなど)、流行が始まったときにどのような態度をとるか(外出を控えるかどうかなど)、などが含まれる。さまざまなシナリオのもとで流行予測を実施し、医療経済的な面も考慮して最適な予防施策を明らかにし、提言を行なう。 本年度は、昨年度の実態調査の結果を受けて、(1)住民が感染症についてどのような意識を持っているのかを明らかにすること、(2)感染症流行のシミュレーションモデル環境の作成、の2点に重点的に取り組んだ。まず(1)では、解析結果の全体を把握するとともに、住民の感染症に対する意識と予防行動の関連について整理した。今後、おもな分析結果をまとめ、投稿の予定である。次の(2)では、コンピュータの中のいわば人工的社会の中で、そこで行動・「生活」する多数の個人を作る、いわゆるエージェントモデル(個人ベースモデル)として作成するもので、モデルの基本的な構造を決定し、シミュレーション環境を整備した。また、以上に加え、年齢構造をもつホスト人口におけるSIR型の感染症の流行モデルの数学的構造の解析も行ない、感染症が常在する定常解の局所漸近安定について分析した。 今後、来年度に向けて、さらにシミュレーションを実施し、結果のとりまとめを行ないたい。
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Research Products
(4 results)