2005 Fiscal Year Annual Research Report
占領期の保健医療政策決定過程に関する考察-GHQ/PHW文書を用いた検証-
Project/Area Number |
16590426
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
杉田 聡 大分大学, 医学部, 教授 (00222050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江崎 フサ子 大分大学, 医学部, 教授 (00223644)
丸井 英二 順天堂大学, 医学部, 教授 (30111545)
森山 敬子 西南女学院大学, 社会福祉学部, 助手 (80412691)
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Keywords | GHQ / 占領史 / 保健医療史 / 医療政策 / 感染症 |
Research Abstract |
戦後占領期の保健医療改革を考察する上で重要なGHQ/PHW(連合軍総司令部公衆衛生福祉部)文書のWeekly Bulletin(部内週報)のマイクロフイッシュ(国会図書館所蔵)の復刻解読作業を1948年から1949年まで完了させた。WeeklyBulletinは、Welfare(福祉・社会保障)、Medical Service(医事)、Nursing Affairs(看護)、Veterinary Affairs(獣医学・畜産)、Supply(資材・薬事)、Preventive Medicine(感染症対策)といった内容から構成され、それぞれの項目別に週ごとの活動の推移が検証できる。 また、Weekly Bulletinに添付されている都道府県別各週ごとのCommunicable Disease Report(感染症報告)を1948年から1949年まで復刻し、「ジフテリア」、「赤痢」、「腸チフス」、「パラチフス」、「天然痘」、「発疹チフス」、「マラリア」、「コレラ」、「猩紅熱」、「流行性髄膜炎」、「日本脳炎」について、それぞれの都道府県別・月別データを用いて各種疾病の空間的・時系列的な発生状況を考察した。 終戦直後の各疾患における流行の特徴は、「人」、「時間」、「場所」を総合的に捉えながら、当時のDDT散布による媒介昆虫の駆除活動や予防接種プログラム、その他各種の衛生環境改善の取り組みに配慮しつつ考察していく必要がある。 GHQ/PHW文書のDaily Journal(部内日報)におけるMemorandum for Record(記録用覚書)については、前回研究時に欠損していた部分を光学的複写で補い、月日別にファイルし3年次の復刻解読作業に備えた。
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