2005 Fiscal Year Annual Research Report
人間ドック受診者2000例を対象とした副作用と疾患感受性に関する薬理遺伝学的研究
Project/Area Number |
16590438
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中川 和子 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (20284747)
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Keywords | 副作用既往歴調査 / 副作用予防 / cytochrome P450(CYP)2D6 / 遺伝的多型 / xanthine oxidase / metabolic syndrome / 人間ドック受診者 / 臨床薬理遺伝学 |
Research Abstract |
副作用に関する遺伝薬理学的研究 1)人間ドック受診者の既往歴調査で、10人に1人が副作用を経験し、25人に1人は重症例で、4人に1人は副作用を再発し、再発例の4分の3の副作用で回避もしくは軽減が可能であったことから、薬剤師の卒後教育において副作用回避対策の啓発を行うと共に、薬理遺伝学的考察を加えて論文を作成中である。また、さらに詳細な情報を得る目的で、平成18-19年度に1万人の副作用調査を計画している。 2)抗ヒスタミン薬の副作用歴を有する症例のcytochrome P450(CYP)2D6遺伝子型判定とEpworth Sleepiness Scoreによる副作用の半定量化によって、CYP2D6*10が日本人の抗ヒスタミン薬による副作用発現の危険因子となり、重症度にも関与することを示した(J Clin Psychopharmacolに投稿中)。 3)研究1)2)において、女性の副作用既往頻度が男性の倍以上であったことから、女性における副作用発現機構の解明と予防の必要性を提唱し、1万人の副作用調査でさらに詳細に検討する。 4)人間ドック受診者とテオフィリン治療中の患者のカフェイン及びテオフィリン代謝比から、テオフィリンの副作用に及ぼすCYP2A1の遺伝的多型の影響について検討した(Eur J Clin Pharmacolに発表)。 5)その他、抗てんかん薬の副作用の薬理遺伝学的検討をClin Pharmacol Therに発表し、Pharmacogenomicsに1報投稿中、さらに副作用を臨床薬理遺伝学的に検討した論文を本年5月までに3報投稿予定である。 疾患感受性に関する遺伝薬理学的研究 1)人間ドック受診者の血清xanthine oxidase(XO)活性値と臨床情報を解析した結果、血清XO活性はmetabolic syndrome(MS)の診断基準項目数が増えるにつれて有意に上昇し、MS診断項目の中でも特にtriglyceride値と強く相関することを明らかにした(Arterioscler Thromb Vasc Biolに投稿準備中)。 2)その他、カナダ人の健康診断における呼吸機能低下に関する薬理遺伝学的検討結果をJOEMに1報発表し、J Agromedにも1報投稿中である。 *)平成17年度の学会発表数:国際学会5演題、国内学会13演題
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Research Products
(7 results)