2006 Fiscal Year Annual Research Report
心血管薬の薬効評価システムの開発と臨床試験に向けた代替エンドポイントの評価
Project/Area Number |
16590439
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
植田 真一郎 琉球大学, 大学院医学研究科, 教授 (80285105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大屋 祐輔 琉球大学, 医学部, 助教授 (30240964)
浦田 秀則 福岡大学, 筑紫病院, 教授 (30289524)
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Keywords | 血管内皮機能 / インスリン抵抗性 / HOMA-IR / 高脂肪食 / PWV |
Research Abstract |
1.動脈硬化性疾患のサロゲートマーカーとしての血管内皮機能(簡便法)への、成分を変えた食事負荷の影響を検討した。健常人において100%炭水化物食、高脂肪食、標準テストミール(日本糖尿病学会)を負荷、前後でhyperemiaによる血管内皮機能を測定した。100%炭水化物食とテストミールは血糖値、インスリンが上昇したが、血中遊離脂肪酸はむしろ低下した。高脂肪食では血糖、インスリンの上昇は認められなかったが、遊離脂肪酸が有意に上昇した。血管内皮機能は高脂肪食後60分、120分で有意に低下したが、10O%炭水化物食やテストミール後は変化は認められなかった。高脂肪食は健常人においても血管内皮機能を障害する。この実験系は食後高脂血症が動脈硬化促進因子となることを示すと共に、抗動脈硬化薬の薬物介入を評価する実験系となりうることも示唆された。(AJCN 2007 in press) 2.従来インスリン抵抗性の簡便な指標としてHOMA-IRが用いられていた。我々はHOMA-IRを血中アディポネクチン濃度で補正(HOMA-IR/adiponectine)したHOMA-ADとグルコースクランプで測定したM値(インスリン感受性)の関連を検討した。HOMA-ADはHOMA-IRよりもM値と良く相関した。HOMA-ADは簡便なインスリン抵抗性の指標になり得ることが示唆された(Diabetes Res Clin Pract 2007) 3.脈波速度は、本邦ではbrachial-ankle (ba) PWが主に測定されているが、欧米ではaortic PWVとしてcarotid-femoral (cf) PWVが測定されている。cfPWVはいくつかの疫学研究やランダム化臨床試験により臨床的な意義が確認されており、標準法とされているが、測定に習熟を要するなど診療時の使用には問題がある。しかし新たに開発されたmultisensor tomometryを用いたcfPWV測定はより簡便である。今回の研究ではあらたな測定法によるcfPWVとこれまでの欧州で用いられた標準法であるComplior法、更に本邦でもっとも広く使用されているbaPWVの比較検討を行った。あらたな測定法によるcfPWVはComplior法による結果とよく相関し、再現性はより良好であった。baPWVとcfPWVは相関しなかった。(投稿中)
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Research Products
(4 results)