2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16590460
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
杉浦 哲朗 高知大学, 医学部, 教授 (50171145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥宮 敏可 熊本大学, 医学部, 助教授 (50284435)
西原 利治 高知大学, 医学部, 助教授 (60145125)
松村 敬久 高知大学, 医学部, 助手 (10274391)
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Keywords | 赤血球内クレアチン / 赤血球加齢 / 血管内溶血 / 人工弁 / 弁口血流速度 / 弁逆流 |
Research Abstract |
人工弁置換患者を対象として、従来からの溶血マーカーと赤血球内クレアチンを比較検討するとともに弁血流速度との関係につき検討を行った結果、赤血球内クレアチンは心筋のダメージにも影響されず高感度かつ定量的に血管内溶血を評価することがわかった(Chest 2004;125:2115-2120)。さらに、心弁膜症を流速の速い大動脈弁(狭窄、閉鎖不全)と流速の遅い僧帽弁(狭窄、閉鎖不全)に分け、血管内溶血の特性を比較検討している。平成18年度は大動脈弁膜症(16例)を対象に赤血球内クレアチンを含む血管内溶血マーカーと弁血流速度との関連を検討した。その結果、大動脈弁膜症群では赤血球内クレアチン高値例(>1.8mmol/gHb)が有意に多く、コントロール群に比し赤血球内クレアチンが有意に高かった(p<0.001)。また、赤血球内クレアチンと大動脈弁口駆出血流最大速度とは有意な正相関を認めた(r=0.72、p<0.001)。一方、赤血球数、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリットは大動脈弁膜症群においてコントロール群に比し有意な低値を示したことにより大動脈弁膜狭窄による潜在性貧血の存在が明らかとなった。以上より、赤血球内クレアチンは大動脈弁膜症患者において心機能にも影響されず、高感度かつ定量的に血管内溶血を評価することができた(現在、英文誌に投稿中である)。
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