2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト唾液中に発見した新規内因性ブファリン異性体の臨床検査医学的研究
Project/Area Number |
16590467
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
小宮山 豊 関西医科大学, 医学部, 講師 (40140264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 伯夫 関西医科大学, 医学部, 教授 (80094431)
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Keywords | 内因性ジギタリス様物質 / ブファリン / マリノブフォトキシン / マリノブファギン / 血圧 / 質量分析 / ELISA / モノクローナル抗体 |
Research Abstract |
今回の研究は、申請者らが近年研究してきた内因性ジギタリス様物質(EDLF)の臨床検査医学的研究の発展形である。EDLF候補として我々はウアバインやマリノブファギンなどがヒト血液中に存在し、慢性透析患者で増加することをイムノアッセイより構造化学情報が豊富なソフトイオン化質量分析で明らかにし、今回探索範囲を広めることで、ヒト唾液中にマリノブファギンと同類のブファディエノライドに属するブファリン異性体が存在する可能性を液体クロマトグラフィー/質量分析(LC/MS)システムで明らかにした。本年は昨年来研究を続けた成果、すなわちテロシノブファギンがヒト血液中に含まれることを明らかにし、論文として発表した。一方、本物質の検出に必要な技術と深く関わる薬毒物検査の臨床検査への普及をはかるシリーズを企画し、そのエディトリアルと試料採取および質量分析の応用について発表した。今回明らかにした内容で画期的であるのは、本研究目的物質のブファリンが属するブファディエノライドの哺乳類に含まれる新たな成分としてマリノブフォトキシンが唾液および副腎の培養細胞系やヒト血液中に世界で始めて見出し、これを検出するLC/MS系の確立できたことである。また、マリノブファギンおよびマリノブフォトキシン(MBGi)を検出するモノクローナル抗体を作成しELISAシステムを構築することで、上記、細胞培養上清や尿・ラット各種臓器中のMBGiの定量に成功した。さらに、本物質の投与によりラット血圧が有意に上昇することを見出した。現在さらに同属の構造を持つブファリン系物質についての検索を精力的に進めている。 これらの結果を総合すると、本物質が新規EDLFであることを構造化学および生理活性両面から示唆した。
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Research Products
(4 results)