2006 Fiscal Year Annual Research Report
QOL関連遺伝子の同定:百寿者と双生児をモデルとして
Project/Area Number |
16590482
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
高山 美智代 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60265824)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中澤 進 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20296586)
田崎 美弥子 東京理科大学, 理学部, 助教授 (50256658)
|
Keywords | QOL / WHO-QOLOLD / 高齢者 / パーソナリティ |
Research Abstract |
【目的と方法】高齢者の主観的QOLとQOLに関係する社会背景因子ならびに性格要素を検討した。主観的QOLの評価にはWHO・QOLold調査票(24問、以下、QOLold)を用いた。性格の評価にはNEO・FFI調査票(60問、以下NEO)を用いた。社会背景因子として、生活環境、学歴、経済的状況、主観的健康観、家族関係、現在の病気の有無、の6項目を調査した。【結果】調査協力者は69歳から93歳までの高齢者65名(男性36、女性29、平均年齢76.2±5.0歳(平均±SD))であった。そのうち回答不備があった女性1名を除外して計64名を対象とした。 1.性差の検討 QOLoldは、男女差はなかった(QOLOld平均値:男3.3±0.4、女3.3±0.5、p=0.77)。NEOの性格の5要素(神経症傾向、外向性、開放性、調和性、誠実性)に男女差はなかった。社会背景因子では、経済的状況、主観的健康観、家族関係、病気の有無に関しては男女差がなかったが、生活環境では女性で独居の割合が有意に高く(男8.3%、女42.9%)、男性で大学卒の割合が有意に高かった(男65.7%、女29.6%)。 2.QOLoldと年齢、性別、社会背景因子の関係 QOLold平均値を従属変数、年齢、性別と6つの社会背景因子を独立変数として重回帰分析を行った。年齢は有意な負の関係、自分を健康と思うことと有意な正の関係、家族関係が良好なことと有意な正の関係、独居であることと有意な正の関係を認めた。一方、性別、学歴、経済的状況、病気の有無は有意な関係を認めなかった(決定係数R^2=0.548、標準回帰係数β:生活環境;0.601、家族関係;0.453、年齢;-0、309、健康観;0.223、p<0.001)。男女別に検討すると、男性では年齢と有意な負の関係、家族関係が良好なことと有意な正の関係を示し(決定係数R^0.538、標準回帰係数β:年齢;-0.350、家族関係;0.625、p<0.001)、女性では独居であることが唯一有意な正の関係を示した(決定係数R^2=0.624、標準回帰係数β=0.770、p<0.01)。 3.QOLoldと性格5要素の関係 QOLold平均値を従属変数、5つの性格要素を独立変数として重回帰分析を行った。神経症傾向と有意な負の関係、誠実性と有意な正の関係を認めた。(決定係数R^2=0.399、標準回帰係数β:神経症傾向;-0.473、誠実性:0.249、p<0.001)男女別に検討すると、男性では、誠実性が有意な正の関係を示し(決定係数R^2=0.223、標準回帰係数β:誠実性;0.340、p<0.05)、女性では神経症傾向が有意な負の関係を示した(決定係数R^2=0.601、標準回帰係数β=-0.728、p<0.001)。 【結語】高齢者のQOLに男女差は認めなかったが、QOLに関係する因子は男女で異なることが示唆された。
|