2004 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブの気管内注入によるラット肺への経時的生体影響に関する研究
Project/Area Number |
16590494
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
大神 明 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助手 (40301692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 勇武 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (00038035)
大和 浩 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助教授 (90248592)
森本 泰夫 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (30258628)
大藪 貴子 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助手 (20320369)
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Keywords | ナノ粒子 / カーボンナノチューブ / 気管内注入 / 気管支肺胞洗浄液 / カーボングラファイト / 肺線維化 / 肺癌 |
Research Abstract |
本研究は、カーボングラファイトとカーボンナノチューブの2種類の材料を用いて、ラットに気管内注入後、短期間(6ヶ月)あるいは長期間(2年)比較検討を行い、その肺毒性を中心とした生体影響について明らかにすることを目的としている。 本年度はテスト資料の調製と、予備実験としてサブミクロン酸化ニッケル粒子の気管内注入実験を行った。 カーボンナノチューブは凝集しやすく、また難容性であるため、従来の生理食塩水に懸濁して気管内注入する方法では凝集塊として注入され、粒径による影響が大きい。そこで注入溶媒中にできるだけ分散された状態で注入実験を行うために、各種の界面活性剤を生理食塩水に添加してその分散状態を電子顕微鏡で確認することを試みた。 使用した界面活性剤は、Tween80とSDSで、それぞれ濃度を調製して試料を懸濁し、フィルターに濾過して分散を観察した。その結果、0.5%Tween80添加の生理食塩水では試料濃度0.1mg/mlで良好な分散状態が確認できた。 また、サブミクロン粒子の肺における生体影響を評価する予備実験として、粒径0.8μmと1.8μmの2種類の酸化ニッケルを調製し、ラット肺に1mg、2mgの濃度でそれぞれ気管内注入を行い、粒径の違いによる経時的な影響を評価した。その結果、粒径が小さい酸化ニッケルは粒径が大きいものに比べ、気管支肺胞洗浄液中の白血球数や好中球数が有意に増加することが認められ、粒径が微細になることの影響の大きさが示唆された。
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