2005 Fiscal Year Annual Research Report
ダイオキシン低濃度曝露による健康影響と遺伝子多型との関連
Project/Area Number |
16590495
|
Research Institution | National Institute of Occupational Safety and Health, Japan |
Principal Investigator |
小川 康恭 独立行政法人産業医学総合研究所, 作業条件適応研究部, 部長 (60167319)
|
Keywords | ダイオキシン / 遺伝子発現 / 遺伝子多型 / 酸化ストレス / 酸化的DNA損傷物質 / 8-OHdG |
Research Abstract |
目的:我々はダイオキシン曝露による生体影響指標としてDNAの酸化損傷に注目し8OH-DGを標的として検討してきた。一方、研究を進める中で尿中8OH-DG量が常に高値である人と常に低値である人の存在が確認された。そこで我々は、酸化ストレスを生じさせる主要原因であるP450とDNA修復酵素に注目してその多型とダイオキシン曝露との関係を研究することを計画した。 進捗状況:平成16年度はダイオキシン類曝露が考えられる一般ごみ清掃工場、産業廃棄物焼却工場及び家電製品リサイクル工場の労働者集団の協力を得て健康・曝露調査を実施した。これら集団より採取した血液、尿を用いて現在体内ダイオキシン量、酸化ストレスマーカー、P450やDNA修復酵素の発現量の測定を行い集団内に発現量のクラスターがあるかどうかを検討した。その結果、ダイオキシン類の曝露状況の差による影響を検討できるデータを収集することができたことが分かり、また、ダイオキシン曝露による反応性が異なる集団を同定することができた。平成17年度はさらに環境測定に従事している労働者集団の協力を得て健康・曝露調査を実施した。これら集団より採取した血液、尿に関しても前年度と同様の研究を行った。本年度は特に生体影響指標の一つである酸化ストレスマーカーが一般的生活要因でどのように変化しそれが集団内でどのようなクラスターを形成するかを主として検討した。その結果睡眠時間が変動要因として重要であることを世界で初めて示すことができた。 考察:遺伝子多型による影響を評価する上で交絡要因となる効果を制御する上で必要な情報が得られたことは今後の研究解析にとって意義のあることである。
|
Research Products
(1 results)