2005 Fiscal Year Annual Research Report
5年間の追跡調査からみた思春期男女の骨量変化と最大骨量決定要因の解明
Project/Area Number |
16590501
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
中 比呂志 京都教育大学, 教育学部, 助教授 (00217639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊木 雅之 近畿大学, 医学部, 教授 (50184388)
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Keywords | 骨密度 / 思春期 / 腰椎 / 大腿骨頸部 / 追跡研究 / 最大骨量増加決定要因 / 骨粗鬆症予防 / 骨折予防 |
Research Abstract |
我々は、平成12年に412人の中学1年生について腰椎及び大腿骨頸部の骨密度測定、体格・握力の測定、既往歴・ライフスタイル面接調査、カルシウム摂取調査からなるbaseline studyを実施し、平成14年度には中学3年生346人(男子:127人,女子:219人,追跡率:84.0%)にfollow-up studyを行った。さらに、平成16年度は高校2年生205人(男子:79人,女子:126人,転校等で追跡不能な生徒を除いた場合の追跡率:55.5%)について2回目のfollow-up studyを実施した。 結果は以下の通りであった。 1.男女とも中学1年から高校2年にかけて有意に骨密度は増加(腰椎骨密度年間増加率:男子8.9%/yr,女子4.6%/yr,大腿骨近位部:男子6.3%/yr,女子3.8%/yr)していた。中学1年から中学3年の増加率(腰椎:男子10.4%/yr,女子6.0%/yr,大腿骨近位部:男子8.6%/yr,女子5.3%/yr)は、中学3年から高校2年の増加率(腰椎:男子6.1%/yr,女子2.8%/yr,大腿骨近位部:男子3.5%/yr,女子2.0%/yr)に比較して有意に大きく、中学校期は骨密度の獲得において非常に重要な時期であることが示唆された。 2.性的発達が早い生徒ほど高い骨密度を示した。しかしながら、骨密度増加率については逆の関係がみられ、性的発達の早い生徒では増加率が有意に小さかった。 3.中学期及び高校期とも体重の重い生徒では高い骨密度を示し、この時期の体重管理は骨量獲得にとって重要であることが示唆された。 4.中学校期及び高校期のスポーツ活動はこの時期の骨密度を決定する重要な要因であると考えられた。 5.カルシウム摂取量及び牛乳・乳製品の摂取は、骨密度及びその変化率と顕著な関係を示さなかったが、この時期のカルシウム摂取は骨量獲得に対して好影響を及ぼしていることが示唆された。
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Research Products
(1 results)