2005 Fiscal Year Annual Research Report
縦断的データ分析の方法を用いた原爆被爆者検診データの解析
Project/Area Number |
16590503
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
本田 純久 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教授 (90244053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三根 真理子 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (00108292)
柴田 義貞 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40010954)
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Keywords | 検査データ / 原爆被爆者 / 疫学研究 / 縦断的データ分析 / 放射線被曝 |
Research Abstract |
本研究は、縦断的データ分析の方法を用いることにより、原爆被爆者検診データの経時的な推移を調べるものである。長崎大学大学院医歯薬学総合研究科附属原爆後障害医療研究施設のコンピュータに、データベース化して保存されている被爆者検診データについて、個人に固有の識別番号をもとに個人の検査データを縦断的にリンクする作業を行った。原爆放射線被曝による健康影響の一つに、リンパ・造血組織の悪性新生物による死亡率・発生率の増加があげられる。本研究では、これらの悪性新生物による死亡者にみられる死亡前検査値の変動を明らかにすることを目的に、対象疾患と検査値の関係を経時的に観察した。1980年4月から2002年3月の間に被爆者定期健康診断を受診した人のうち、リンパ組織及び造血組織の悪性新生物(ICD-9: 200-208,ICD-10: C81-C96)により死亡した502人(男236人、女266人)を解析の対象とした。死亡時年齢の平均は71歳、標準偏差は11歳であった。また死因の内訳は急性白血病94人、慢性白血病86人、その他の白血病50人、リンパ組織系疾患63人、骨髄腫70人、その他139人であった。性別、疾患別に白血球数、尿酸値、lactate dehydrase(LDH)、C-reactive protein(CRP)の経時変化を調べた。その結果、疾患の種類により白血球数をはじめとする検査値の変化に特徴的なパターンがみられた。急性白血病は死亡日が近づくにつれて白血球数が低下傾向にあり、慢性白血病においては死亡日が近づくにつれて白血球数が増加する傾向にあった。リンパ組織系疾患および骨髄腫においては追跡期間を通して白血球数の変動は2,000から10,000(/μL)の範囲に収まった。
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Research Products
(2 results)