2004 Fiscal Year Annual Research Report
筋萎縮性側索硬化症の発症関連要因および予後進展要因に関する疫学的研究
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16590509
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Research Institution | Aichi Prefectural College of Nursing & Health |
Principal Investigator |
岡本 和士 愛知県立看護大学, 看護学部, 教授 (60148319)
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / 生活習慣 / ストレス / 実態調査 / 自記式調査 / 栄養摂取 |
Research Abstract |
2004年の9月に愛知県内に居住する在宅のALS患者258名に対し、自記式の郵送調査を行い、回答の得られた98名(平均は62.9±9.9歳)を解析対象とした。対象者の発病前に、製造業に従事していた者が22名(22.4%)と最も多く、ついで事務系14名であった。 発病前の生活状況や性格のうち、性格に関しては、「負けず嫌い」「目標達成のためには努力した」「精神的ストレスは多い方」と回答したものが、いずれの項目にも60%以上認められた。この結果からALS患者は病前にストレスが多い傾向にあったことが示唆された。 生活習慣に関しては、喫煙習慣にて「あり」と答えた者の割合は全体で31.6%であった。男女別に見ると男は46.7%と女の10.0%に比べ高かった。飲酒習慣では、「ほとんど毎日飲酒」と答えた者の割合は全体で33.7%であった。男女別に見ると男は56.9%と女の33.7%に比べ高かった。 また、食習慣では「色の付いた野菜を好んで食べた」と答えた者が、約半数の49名(50.5%)に認められた。栄養全体に関しては、平成13年の国民栄養調査からみた40歳以上の全国平均の栄養摂取状況と比較すると、カルシウムの摂取量は多かったが、神経や神経細胞に障害を与える活性酸素を取り除く役目を持つ亜鉛、ビタミンCおよびビタミンEの摂取量が全国平均に比べ少ない傾向にあった。さらに、性、年齢、身長および日常の活動量から見て必要と思われる栄養摂取量と比較して、実際にどれだけ摂取しているか(栄養素摂取別充足率)を調べた結果、亜鉛、ビタミンEおよび食物繊維の摂取量が必要量に比べ大きく下回っていた。さらに、同じように食品群摂取状況で見ると、油脂類および乳類の摂取量が必要量よりも大きく上回り、一方、野菜類(緑黄野菜、他の野菜)および卵類の摂取量が必要量よりも大きく下回っていた。
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Research Products
(2 results)