2006 Fiscal Year Annual Research Report
在宅患者に対する筋萎縮性側索硬化症の発症関連および予後進展要因に関する疫学的研究
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16590509
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Research Institution | Aichi Prefectural College of Nursing & Health |
Principal Investigator |
岡本 和士 愛知県立看護大学, 看護学部, 教授 (60148319)
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / 生活習慣 / ストレス / 実態調査 / 自記式調査 / 栄養摂取 / 有病年数 |
Research Abstract |
1.発症関連要因の検討 愛知県内に居住するALS患者に2003年9月、2004年10月および2006年6月に行った郵送による自記式調査票にて回答の得られた153名である。対照群は症例と同じ居住地の選挙人名簿から症例1例に対し5名を無作為に選び、2004年4月、2005年3月および2006年9月に調査票を郵送にて配布した。今回の解析では、回答の得られた者のうち、症例と性・年齢(±2歳)が一致した366名を用いた。栄養調査には自記式による食品頻度調査票を用いた。解析にはconditional regression modelを用いて、オッズ比(OR)と95%信頼区間(9胱CI)をした。なお、本研究計画は愛知県立看護大学倫理委員会の承認を受けた。「激しい運動(あり)」「目的達成のために努力(した)」「ストレス(多かった)」「緑黄色野菜の摂取(少なかった)」が有意リスク上昇要因として認められた。「喫煙習慣」と「飲酒習慣」とは有意な関連は認めなかった。男女別に検討した結果、男女とも「目的達成のために努力(した)」「緑黄色野菜の摂取(少なかった)」が有意リスク上昇要因として認められた。栄養調査の結果では、症例のエネルギー摂取量は対照に比べ高い傾向(p=0.08)にあった.エネルギー摂取量補正後も、症例は対照に比べ糖質、脂質、カロテン、ビタミンB1、ビタミンE、食物繊維および亜鉛の各摂取量が有意に低かった。 2.予後進展要因の検討 2004年の9月の在宅ALS患者に対する郵送による質問紙調査で回答の得られた98名に対して、2006年に1年前との病状の比較に関する聞き取り調査を行った。病状の進行に関して1年前と比べて、「1.よくなった」「2.かわりなし」を安定群、「悪くなった」を悪化群とした。病状悪化群と有意な関連の認められた要因についてステップワイズ法によるロジスティック回帰分析を行った結果、「有病年数(5年未満)」とQOL関連要因のうち「精神的不安(増えた)」が有意な関連を認めた。
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Research Products
(1 results)