Research Abstract |
平成16年度の研究計画のうち,2年目の17年度の内容の一部も実施した. (1)対象者:a.4週に1回の頻度で外来通院している病状安定した生活習慣病(高血圧/糖尿病)患者を対象とする.対象選択の条件として自立歩行でき,聴力低下や痴呆がない40〜90歳の患者とした。b.生活実態基本調査のため,面接を受ける大学生. (2)研究方法:a.同意を得た外来患者の調査項目として,診察室入室時の患者の椅子への座り方,アイコンタクト,血圧測定時の姿勢,背部診察の際の身体の回転方向,退去時の方向,等の他,診察時の音声記録と画像記録をおこなった.音声記録は,パソコンを利用し音声入力処理を使用,診察時の映像記録についてはDVカメラを使用し事後にデジタル処理をおこなった.音声記録は医師と患者の会話記録を分析対象とした.映像配録については,客観的な確認が困難なアイコンタクト等の些細な行動についても分析をおこなった.観察記録は,可能な限り同一患者2回以上の結果を分析対象とした. b.大学生に対しては,模擬乳児を準備し,自然に抱かせて観察結果を従来の報告と比較した. (3)研究成果:a.統計処理に十分な被検数に達していないが,次のような傾向がみられる.(1)右側から着席する患者が多いが入室方向と椅子との位置関係が寄与している.(2)アイコンタクトは半数以下で少ない.(3)血圧測定は右腕優位である.(4)背部診察時の回転方向は左回り回転が多い.診察室からの退去方向は右方向からが多い.左回りの動作や左側に置かれた血圧計に右腕を出すのは不自由なはずであるが,無意識な行動となっている.今後,被検数を増加し,行動学的な分析を行いたい. b.大学1年生94名,2年生90名に実施.1年生の結果は,左抱き47名(50.0%),右抱き45名(47.9%),中抱き(対面抱き)2名(2.1%)であったが,2年生の結果は,左抱き59名(65.6%),右抱き29名(32.2%),中抱き(対面抱き)2名(2.2%)であった.同一方法による観察であるにも関わらず,1年生と2年生では,際だった差がみられ,その原因についての探索のため,今後の研究方法について再検討したい.
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