2005 Fiscal Year Annual Research Report
PPARγligandによる消化器癌細胞増殖・浸潤転移の制御メカニズム
Project/Area Number |
16590568
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
奥村 利勝 旭川医科大学, 医学部, 教授 (60281903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹野 誠志 旭川医科大学, 医学部, 講師 (30333686)
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Keywords | troglitazone / 膵癌細胞 / PPARgamma / ERK1 / 2 / MEK / 細胞増殖抑制 / アポトーシス |
Research Abstract |
我々は、PPARγ ligandが胃癌、膵臓癌、肝細胞癌などの消化器癌に対して強いin vitro細胞増殖抑制作用やapoptosis誘導作用、腫瘍細胞の浸潤能を抑制することを見い出し報告してきた。これまでの研究から細胞増殖抑制はproteasome活性を抑制すること、F-box proteinのSkp2を抑制することからubiqutin-proteasome系が抑制され、cyclin dependent kinase inhibitorのp27Kip1が蓄積した結果G1 arrestが起きることを明らかにした。しかしながら、未だPPARγによる細胞浸潤能の抑制メカニズムや細胞増殖抑制やapoptosis誘導の詳細な細胞内メカニズムは明らかに出来ていない。今回我々はPPARγ ligandによる細胞増殖抑制、apoptosis誘導作用、細胞浸潤能抑制に関与する細胞内シグナル伝達を明らかにすることを目的とし、ヒト膵癌細胞においてPPARγ ligandのtroglitazoneによって誘導される遺伝子変化をmicroarrayで網羅的に検討し、その結果に基づき様々な分子の関与を解析中である。現時点では、細胞増殖に関与するMAPK superfamilyの中ではERK1/2のリン酸化が特異的に抑制されている事、更にこの抑制にERKの上流にあるMEK蛋白の発現低下が関与することが示唆された。加えて、MEK-ERK経路シグナルを特異的inhibitorで阻害すると膵癌細胞増殖が抑制されることから、このMEK-ERKシグナル経路がアポトーシスや細胞増殖抑制に関与する可能性を示唆できている。現在、更に他の分子の関与を検討している。
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Research Products
(4 results)