2004 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカイン遺伝子多型の網羅的探索による肝発癌リスク個体差の解明
Project/Area Number |
16590578
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 直也 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (90313220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 晴彦 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60240305)
立石 敬介 東京大学, 医学部附属病院, 助手
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Keywords | SNP / C型肝炎 / 肝細胞癌 / UGT1A7 / サイトカイン |
Research Abstract |
本研究ではヒト遺伝子多様性、特に炎症・線維化に関わるサイトカイン遺伝子のsingle nucleotide polymorphisms(SNP)を網羅的に解析することにより、肝病態進展、特に肝発癌に関連したサイトカインSNPを同定し、発癌リスク個体差を明らかにすることで実際の医療に貢献することを目的としている。 今年度までに、まず約1000例の慢性肝疾患患者白血球DNAサンプルを収集した。うち、496検体を匿名化処理した。これらのDNAを用いて、UDP-glucuronosyltransferase 1A7(UGT1A7)遺伝子の多型がC型肝炎患者において肝癌と密接に関係していることを見出した。すなわち、C型肝癌患者において、UGT1A7遺伝子の低活性アレルのhomoのgenotypeの患者および低活性アレルと高活性アレルのheteroのgenotypeの患者の割合が、高活性アレルのhomoのgenotypeの患者に比し、有意に多く、そのオッズ比はそれぞれ2.73倍、1.80倍であった。 また、肝発癌に関与する可能性のある遺伝子として、細胞の生と死、炎症に関わる遺伝子172遺伝子、397SNPsを選択し、インフォームドコンセントが得られたC型肝炎患者188例(慢性肝炎+肝硬変111例、肝癌77例)において、Taqman PCR法により解析しHCCとの関連につき検討した。それにより候補遺伝子、SNPを29遺伝子、31SNPsに絞り込み、新たに選ばれたインフォームドコンセントが得られたC型肝炎患者188例(慢性肝炎+肝硬変95例、肝癌93例>において、同様に検討した。最終的に有意にHCCと関連している3遺伝子、3SNPsを同定した。これらは肝発癌メカニズムの解明に重要のみならず、肝発癌の超高危険群、超低危険群の設定を可能にすることが期待される。
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Research Products
(7 results)