2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト臍帯血由来肝幹細胞の同定と致死的肝疾患に対する細胞移植療法の開発
Project/Area Number |
16590581
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柿沼 晴 東京大学, 医科学研究所, 産学官連携研究員(特任助手) (30372444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 直哉 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助手 (10334418)
荒木 昭博 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助手 (80361690)
渡辺 守 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究所, 教授 (10175127)
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Keywords | 臍帯血 / 肝細胞 / 幹細胞 / 細胞移植 / 肝障害 / 肝障害 / 再生医学 / 細胞生物学 |
Research Abstract |
我々は当該研究において、ヒト臍帯血由来細胞(UCB cells)を用いて、表面抗原によって分取したUCB cellsから、培養及び移植によって臍帯血由来肝幹細胞を同定し、機能的肝細胞に分化誘導して移植に用いる方法を開発する研究を行い、その成果として下記を得た。 まず、CD45、CD34、c-metなどの細胞表面抗原を用いて、cell sorter(FACS)でUCB cellsを分取し、これをアルブミン産生能・アンモニア代謝能を有する肝細胞が誘導されうるFGF-1、FGF-2、HGF、SCF、LIFを添加した培養系で培養した。その結果、CD45陽性細胞かつLineage marker陰性細胞からアルブミンを発現する細胞を培養系によって得た。またその画分を詳細に追求した結果、高純度に分取したCD34陽性細胞のみを培養しても、アルブミン陽性細胞が誘導されうることを見いだした。次に、マウス肝及び血清におけるヒト特異的遺伝子・蛋白発現を検出することによって、移植マウスに臍帯血由来細胞が生着したか否かを評価した。その結果、CD34陽性細胞のみを移植しても、マウス血中にヒトアルブミンが検出され、臍帯血由来肝細胞が出現することを見いだした。さらに、慢性的な肝障害をおこしたマウスにUCB cellsを移植すると、成熟肝細胞と同様に、薬物代謝・アミノ酸代謝などの機能的な肝細胞関連遺伝子を発現するように分化したことが明らかになった。これらの結果から、ヒト臍帯血由来細胞は肝疾患に対する移植細胞供給源になりうる可能性が示された。本研究の成果は、臍帯血を用いた肝再生医療の実現化に向けた基盤となるものであり、当初の目的を達成したものと考えられる。
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Research Products
(7 results)