2004 Fiscal Year Annual Research Report
癌細胞における核内受容体ならびに膜受容体の異常とその制御に関する研究
Project/Area Number |
16590584
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
白鳥 義宗 岐阜大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (20313877)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森脇 久隆 岐阜大学, 大学院・医学研究科, 教授 (50174470)
紀ノ定 保臣 岐阜大学, 大学院・医学研究科, 教授 (50161526)
半田 宏 東京工業大学, フロンティア創造共同研究センター, 教授 (80107432)
四童子 好広 県立長崎シーボルト大学, 看護栄養学部, 教授 (00111518)
|
Keywords | レチノイド / 肝癌 / 化学予防 / 分子標的 / 核内受容体 / 膜受容体 |
Research Abstract |
我々はレチノイドによる肝発癌抑制をテーマとして、一貫して研究を進めてきた。その結果・根治療法後の二次肝癌の発生を有意に抑制できることを、さらに肝癌の発生を抑制するのみならず、それにより患者の生命予後をも改善することをすでに明らかにしてきた。その過程において核内受容体ならびに膜受容体の異常が肝癌の発生ならびにその進展に深く関与していることを見いだし、それについて検討を進めている。本年度の重要な成績は、以下の通りである。 1)サイトカイン受容体の表出変化についての検討 癌細胞ではIFN受容体やFasの表出が低下していることが報告されており、これを改善することにより癌細胞のアポトーシス回避能を低下させ、癌細胞の排除が期待できるものと思われる。我々は、新規合成レチノイドとサイトカイン、とくにIFN-やFasに対する刺激により相乗効果を持つことを確認した。今後の臨床応用を考えて、とくにIFN受容体の表出の変化とその制御について検討する予定である。 2)新世代型電子カルテを利用したトランスレーショナル・リサーチ 平成16年6月に無事に当院の新世代型電子カルテを完成することができた。現在これを利用して、すでにインターフェロンを投与した患者さんについて、データ・マイニングの手法を入れてレトロスペクティブに解析し、トランスレーショナル・リサーチに結びつけていくことができるようにその仕組みを検討中である。 このような基礎的な検討を踏まえ、より臨床的な実証が必要と考えられる。そのため来年度より他施設において臨床治験が行われることとなった。この治験によりより多くの知見が得られることと期待される。そしてこのような考え方は、肝癌細胞内で変化を来した核内受容体分子を標的として、そのリガンドである非環式レチノイドを用いることにより、アポトーシスからすり抜けた癌細胞を再度分化させてアポトーシスに導くという発癌予防の戦略を考えていく上で極めて重要と考えている。
|
Research Products
(4 results)