2005 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカイン連鎖による肝再生不全発症機序の解明とその制御による治療法の開発
Project/Area Number |
16590585
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
森脇 久隆 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50174470)
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Keywords | TGF-β / 肝再生不全 / サイトカイン / カリクレイン / プロテアーゼ阻害剤 / TNF-α |
Research Abstract |
従来の研究から継続して、標的細胞としては肝星細胞を対象とした。またサイトカインについてはTNF-αを新たに検討対象とした。その結果、以下の2点を解明することが出来た。 1.TNF-αに対する細胞側の受容体にはTNFR-1、TNFR-2の二種類がある。TNFR-1、TNFR-2それぞれ、ならびに両者のノックアウト・マウスを用いた実験から、エンドトキシンによって惹起される肝障害・再生不全の情報はTNFR-1のみを経由し、TNFR-2には依存しないことを明らかにできた。またTNFRと同一ファミリーに属する受容体であるFasもこのモデルでは関与しなかった(Shimizu S, Moriwaki H, et al. Liver injury induced by lipopolysaccharide is mediated by TNFR-1 but not by TNFR-2 or Fas in mice. Hepatol Res 2005;31:136-42)。 2.3'MeDABラット肝障害モデルにNIK333(臨床試験中の新規化合物)を用いた実験で、TNF-α陽性オーバル細胞(oval cell)の出現と星細胞の活性化が何れも抑制されることを見出した。オーバル細胞の出現、TNF-αの分泌、星細胞の活性化は以後の肝障害を増悪させる要因であり、その抑制は上記化合物の臨床的作用機序を強くサポートするものと考えられる(Sano T, Moriwaki H, et al. Prevention of rat hepatocarcinogenesis by acyclic retinoid is accompanied by reduction in emergence of both TNF-a-expressing oval-like cells and activated hepatic stellate cells. Nutr Cancer 2005;51:197-206)。
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Research Products
(3 results)