2005 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオーム解析を応用した肝細胞癌のアポトーシス耐性機構の解明と遺伝子標的の探索
Project/Area Number |
16590587
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
白木 克哉 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (90263003)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 一素 三重大学, 医学部附属病院, 助手 (40345971)
杉本 和史 三重大学, 医学部, 非常勤講師 (60378370)
|
Keywords | 肝細胞癌 / プロテオミクス / アポトーシス |
Research Abstract |
肝細胞癌のアポトーシス耐性機構の研究を目的として、肝細胞癌および患者血清のプロテオーム解析を引き続き施行した。<2次元電気泳動NEpHGE>NEpHGEでは、CBB G250染色において約1,300個のスポットが検出、銀染色染色では約2,000個のスポットが検出された。特に10kDa-100kDaのタンパクの解析に有用であった。特に疾患で差があるスポットを5個(A-E)同定した。 <SELDI-TOF-MS>分子量2万以下の蛋白質、ペプチドが解析可能であった。C型慢性肝炎20例、肝硬変20例、肝細胞癌20例、正常血清20例においてディファレンシャルゲルビューワーにて解析した(図3)。病態バイオマーカーとして(1)健常人のpeak intensityが高い;10ペプチド(2)正常、肝硬変、肝細胞癌のpeak intensityが高い;15ペプチド(3)肝細胞癌のpeak intensityが高い;4ペプチド(4)慢性肝炎のpeak intensityが高い;7ペプチドを同定した。 <2D-μHPLC-MALDI-TOF-MS> 本自動多次元タンパクMSプロファイリングシステムは、2次元HPLC分析までの段階、質量分析までの段階ともに再現性のあるデータが得られた。特に感度としては、約1ng/mlの検出が可能であり、ペプチドホルモンの血中濃度までの解析が可能であった。さらに、この自動化により、再度のサンプル調整なく、MS^n解析によりタンパク、ペプチドのアミノ酸配列の同定が可能であった。疾患特異的スポットとしては、現時点で50以上を確認し同定している。MALDI-TOF-MS解析と同様に、各種病態で発現の増加や低下がみられる特異的なタンパク・ペプチド変動が確認された。 【考察】今回の方法により、血清中の高分子量から、低分子ペプチドレベルまでのタンパク質の包括的および網羅的解析が可能であった。
|