2006 Fiscal Year Annual Research Report
レクチンによる炎症性腸疾患の粘膜修復および免疫制御に関する研究
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16590588
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
佐々木 雅也 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (40242979)
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Keywords | 潰瘍性大腸炎 / DSS大腸炎 / レクチン |
Research Abstract |
レクチンの大腸炎修復効果に関する研究 潰瘍性大腸炎モデルであるDSS(dextran sodium sulfate)大腸炎マウスを用いて、レクチンの大腸炎修復効果について検討した。 方法 BALB/cマウス(日本クレア株式会社)を用い、粉形食MF(オリエンタル酵母工業株式会社、東京)に3%(w/w)のデキストラン硫酸ナトリウム(dextran sodium sulfate : DSS分子量5000)を加え5g/日/匹の量で7日間摂取させて大腸炎モデルを作成した。便潜血陽性化により腸炎の発症を確認の後、MFのみを与えた群(以下DSS群)、MFに0.1%Con-Aを加えた群(以下Con-A群)、MFに0.1%PHAを加えた群(以下PHA群)に分け、7日後に大腸炎修復効果を検討した。 結果 1)便潜血 7日目には、全てのマウスで陰性であった。 2)体重 DSS摂取7日目の体重とDSS摂取終了後から7日目の体重の比を各群で比較した。 DSS群(平均体重30.4g 比率1.20)、Con-A群(平均体重30.1g 比率1.19)、PHA群(平均体重30.1g 比率1.21)であり、体重変化には有意差を認めなかった。 3)腸管の湿重量と長さ 腸管の長さあたりの湿重量を各群で比較した。 DSS群(平均湿重量0.274g 平均の長さ9.76cm 平均湿重量/長さ0.0281g/cm)、Con-A群(平均湿重量0.280g 平均の長さ10.2cm 平均湿重量/長さ0.0276g/cm)、PHA群(平均湿重量0.288g 平均の長さ9.78cm 平均湿重量/長さ0.0296g/cm)であり、各群間に有意差を認めなかった。 4)組織炎症細胞浸潤(0〜4)・潰瘍の有無(0〜1)・粘膜の肥厚(0〜4)・Goblet cell(0〜4)の有無について検討し、組織の破壊の程度によりスコア化した。DSS群1.2・Con-A群1.0・PHA群0.8であり、レクチン投与群に低い傾向はあったが、有意差を認めなかった。 考察 DSS大腸炎に対するレクチンの大腸炎修復効果はごく軽微であり、著しい治療効果は認めなかった。
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Research Products
(6 results)