2006 Fiscal Year Annual Research Report
B型、D型肝炎ウイルス重感染患者の長期予後とそれに影響を与える因子の解明
Project/Area Number |
16590608
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
外間 昭 琉球大学, 医学部附属病院, 講師 (00305202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
比嘉 太 琉球大学, 医学部附属病院, 講師 (50291555)
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Keywords | B型肝炎ウイルス / D型肝炎ウイルス / 慢性肝炎 / 肝癌 / 分子生物学 / 遺伝子型 / 長期予後 / 疫学調査 |
Research Abstract |
沖縄県宮古群島の一離島の住民を対象に1994年から、B型とD型肝炎の調査を行っている。これまでに2575名が調査され、そのうちB型肝炎ウイルス(HBV)の保有者は236名(9.2%)で、これらの保有者のうち49名(21.2%)がHBVとD型肝炎ウイルス(HDV)の重感染者であった。また、同群島内にある総合病院の受診者を対象とした調査で、HDVの重感染は肝硬変、肝癌への進行に関連していることが判った。 HDVは、これまでに世界中から多数の株が分離され、これらの株間には多様性が大きい。そこで、株間で相同性の高い領域にプライマーを設定し、独自のPCRを開発した。これを用いて、HDV抗体陽性者を検査したところ、約半数はHDV-RNAが陽性で、残りは陰性であった。また、HDV-RNAが陽性者は、高率に肝障害を有したのに反し、陰性者は肝障害がなかった。よって、HDVは感染後、HBVが存在するにもかかわらず、排除される症例が存在することが判った。また、mvの定量法をリアルタイムPCR法にて開発し、病態との関連を検討した。その結果、HBVとHDVの重感染の肝障害は、主にHDV量と関連することが判った。 HDVはその系統樹解析から、大きく3つのタイプ(I、II、III型)に分類される。宮古群島で見つかったHDVはほとんどがII型に属し、しかもIIbと亜分類された。IIb型は台湾からも報告されているが、宮古群島で見つかったHDV株はより多様性があり、また、その多様性が病態にも影響していると思われた。また、HBVは95%がgenotype Bで、残り5%がgenotype Cであった。
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Research Products
(3 results)