2004 Fiscal Year Annual Research Report
変異型p53のDNA結合ドメイン修飾剤による消化器癌の新規分子標的治療の開発
Project/Area Number |
16590610
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
瀧本 理修 札幌医科大学, 医学部, 助手 (10336399)
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Keywords | 癌抑制遺伝子p53 / 分子標的治療 / p53修飾剤 / 消化器癌 |
Research Abstract |
消化器癌では癌抑制遺伝子p53の変異が高頻度に認められ,その多くはp53のDNA結合ドメインに発生する.今回申請者らは,大腸癌由来細胞株でp53蛋白のコドン248に変異を有するSW480とp53野生株であるHCT116をp53-DNA結合ドメイン修飾剤であるCP31398で処理し,その抗腫瘍化の基礎的検討を行った.その結果,いずれの細胞株に対しても1)CP31398は濃度依存性にアポトーシス誘導効果を示した.2)CP31398はいずれの細胞株におけるp53の安定化を誘導した.3)安定化の機序は過去に報告されているMDM非依存性のユビキチン化の抑制によることを確認した(Mol Cell Biol.2002).4)CP31398はp53の翻訳後修飾で重要であるリン酸化には影響を与えない可能性があることが示唆された.以上の結果から,p53自身の活性を高めることによってCP31398の作用を増強できる可能性があることが考えられた.現在,p53の改変体を作成しCP31398との併用効果を検討中である.なお,すでにp53の改変型の作成は終了し,野生型p53よりも2-3倍の抗腫瘍活性をもつものを開発し,in vitroからin vivoへの応用を開始している.
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Research Products
(5 results)