2005 Fiscal Year Annual Research Report
消化管形態形成・創傷治愈におけるマトリックスメタロプロテアーゼの発現制御の検討
Project/Area Number |
16590620
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Research Institution | WAKAYAMA MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
一瀬 雅夫 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (50143425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 靖仁 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教授 (80235671)
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Keywords | 消化管 / 形態形成 / マトリックスメタロプロテアーゼ / 増殖因子 / 分化誘導因子 |
Research Abstract |
1.胎児ラット胃器官培養系を用いる事で、HGF、TGF-αなどの増殖因子により腺管形成促進、胃粘膜上皮組織の分化マーカーであるカテプシンE、III型粘液、ペプシノゲンなどの分化マーカー発現抑制、そしてMMP-2mRNAおよび同蛋白発現、同活性増加が観察された。一方、副腎皮質ステロイド、Sodium butylate, COX-2阻害剤などにより、腺管形成抑制、分化マーカーの発現促進、そしてMMP-2mRNAおよび蛋白発現の抑制、活性発現抑制が観察された。同様に離乳期の大腸上皮組織についても検討を行なっているが、HGFにて腺管形成促進、MMP-2mRNAおよび蛋白発現、活性増加が観察され、一方、副腎皮質ステロイド、COX-2阻害剤により、腺管形成抑制、そしてMMP-2mRNAおよび蛋白発現抑制、活性発現抑制が観察された。 2.ラット胎児より摘出した胃を用いて、上皮組織の形態形成前(妊娠15日齢)の上皮、間充織の単独初代培養、組織recombinationを用いた器官培養系を運用する事で、間充織でのMMP-2の遺伝子発現が、上皮組織と組み合わせて培養する事により、遺伝子、蛋白、酵素活性のいづれについても顕著に増強する事、同時にMT1-MMPmRNA発現も間充識で顕著に増強する事を見出した。 3.ラットをもちいたエタノール急性胃粘膜障害モデルあるいは酢酸潰瘍モデルを用いて、障害治癒過程における胃粘膜組織においてMMP-2、MMP-9の遺伝子、蛋白、酵素活性の発現推移、またMT-1MMPの遺伝子発現推移を検討した。潰瘍治癒に伴う粘膜上皮再生に一致して、MMP-2のmRNA、蛋白、酵素活性の上昇を認めた。MT-1MMPmRNA発現もMMP-2mRNA発現にほぼ同期する形で生じていた。これに対してMMP-9の発現は僅かであり、大きな発現変化は認められなかった。
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Research Products
(19 results)