2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16590625
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
金子 隆志 自治医科大学, 医学部, 助手 (10254913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 英司 自治医科大学, 医学部, 教授 (00245044)
村上 孝 自治医科大学, 医学部, 講師 (00326852)
袴田 陽二 自治医科大学, 医学部, 講師 (00218380)
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Keywords | 慢性肝炎 / ウイルス性肝炎 / リンパ球ホーミング / FTY720 |
Research Abstract |
本年度は、リンパ球ホーミング改変薬剤としてFTY720を使用し実験を行った。FTY720投与により、リンパ球ホーミング改変が生じ、末梢血リンパ球が減ることは既に多くの実験で示されている。しかし、その肝臓内リンパ球に対する影響は示されていない。肝臓は、胎生期には、肝臓内造血系として働き、成体での骨髄と同じ働きを有しているが、リンパ球ホーミングをきたす薬剤により、その肝臓内でのリンパ球が末梢血と同じように動くかどうかは非常に興味が持たれるところである。0.1%EDTA-PBSによりマウスBALB/Cの肝臓を灌流、その液を回収し、FTY720の投与の有無で肝臓内単核球の各成分の変化及び絶対数の変化をFACSにより解析した。FTY720投与により肝臓から回収される単核球の総数は、投与なしの2.64x10^6から、1.07x10^6へと減少した。また、CD4,CD8,CD3陽性のTリンパ球およびBリンパ球はそのパーセンテージで減り、実数で見ると、FTY720投与群は、コントロールに比し、CD4陽性リンパ球は、34%、CD8陽性リンパ球は、26%、Bリンパ球は、21%と減少していた。FTY720投与により、肝臓内からは末梢血と同様にリンパ球が減少することが明らかとなった。そこで、正常マウスにおける検討を踏まえ、ConcanavalinA肝炎モデルでリンパ球ホーミング改変薬剤による肝炎発症阻止が可能であるかを検討した。 ConA投与により、コントロールでは、平均で7724あったALTがFTY720投与群では4762と低下した。FACSによる解析では、ConAによる炎症状態の下でもやはりConA肝障害の成因のひとつとなるCD4陽性細胞はほぼ半分へと減少していることが明らかとなり、このCD4陽性細胞減少により肝障害が低減されたことが想定された。現在さらなる解析を続けている。
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Research Products
(2 results)