2005 Fiscal Year Annual Research Report
T細胞特異的アダプター分子SAPの発現制御による新たな炎症性腸疾患治療法の開発
Project/Area Number |
16590630
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岡本 晋 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70255446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日比 紀文 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50129623)
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Keywords | 炎症性腸疾患 / T細胞 / Th1 / SAP |
Research Abstract |
1)炎症性腸疾患患者の腸粘膜内CD4陽性細胞内SAP異常発現の検討 昨年の生検腸組織での検討を踏まえ、健常人5名、クローン病患者5名、潰瘍性大腸炎患者5名の腸切除標本より分離したCD4陽性細胞におけるSAP mRNAの発現につきreal-time PCR法を用い検討した。サンプル数を増やす必要があると思われるが、これまでの検討では、3群間において有意差を認めていない。 2)CD45RBhi CD4 transferモデルにおける検討 前年度と同様の方法でマウスの大腸炎モデルを作製し、SAPノックアウトマウスCD4陽性細胞の機能異常につき検討した。すなわちこの実験では、SCIDマウスにwild type C57BL/6由来のCD45RBhi CD4陽性細胞2x10^5を移入する通常のtransferモデルを対照群とし、C57BL/6 background SAPノックアウトまたはトランスジェニックマウス由来のcD45RBhi CD4陽性細胞2x10^5を移入した群を作製した。しかし、3群間で体重減少・血清下痢、sacrifice後の肉眼所見・組織所見にて炎症の程度に有意差は認められなかった。SAPノックアウトマウスCD4陽性細胞はin vitro刺激においては明らかなTh2への分化異常を示し炎症惹起細胞として働くこと(Nature Immunol)、またSAPトランスジェニックマウスCD4陽性細胞はTh2への分化が亢進していること(unpublished data)から期待された結果は得られなかった。in vivoでのprimingにはvitroとの違い、特に腸管腔の抗原や腸管局所のサイトカイン環境などの因子が複雑に関与していることが原因として考えられている。
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