2004 Fiscal Year Annual Research Report
インターフェロン応答性アポトーシス調節遺伝子の同定と肝細胞癌治療への応用
Project/Area Number |
16590632
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
樋口 肇 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20306682)
|
Keywords | interferon / hepatocellular carcinoma / cyclooxygenase-2 / TRAIL / Death Receptor / apoptosis / caspase |
Research Abstract |
ヒト肝細胞癌株HuH-7、HepG2、PLC/PRF5にインターフェロン(IFN)-α(0-1000units/ml)およびIFN-β(0-1000units/ml)を投与し、IFNによるアポトーシス関連遺伝子の発現変化を解析した。その結果、Tumor Necrosis Factor-related Apoptosis Inducing Ligand (TRAIL)およびその受容体であるTRAIL-receptor 2 (TRAIL-R2)/death receptor 5 (DR5) mRNAの著しい増加が確認された。また、抗アポトーシスシグナルの中では、cyclooxygenase-2 (COX-2) mRNAの発現増強が認められた。IFNの投与は抗癌剤(5-FU)による肝癌細胞アポトーシスを増強した。IFN-βはIFN-αとの比較検討において、より強いアポトーシス増強効果を示した。IFN投与下におけるTRAIL/TRAIL受容体依存性アポトーシスシグナルを解析したところ、caspase-8依存性のdeath receptor経路の活性化が起こっていることが確認された。IFNによるTRAIL/TRAIL受容体シグナルの活性化と同時に、抗アポトーシスシグナルであるCOX-2の発現増強が起こっていたことより、肝細胞癌における主要な抗アポトーシスシグナルはCOX-2依存性経路により介在されると考えた。COX-2阻害剤NS-398をIFNと同時投与したところ、著しいアポトーシスの誘導が認められた。現在、ヌードマウス皮下腫瘍移植モデルを用いて、IFNによる抗腫瘍効果を検討中である。
|