2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16590634
|
Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
滝川 一 帝京大学, 医学部, 教授 (70197226)
|
Keywords | 有機アニオン / 有機カチオン / BSP / ICG / エリスロマイシン / 胆汁中排泄 / 小胞輸送 / コルヒチン |
Research Abstract |
毛細胆管膜トランスポーターは、小胞輸送により毛細胆管膜に組み込まれると考えられている。そこで、有機アニオンおよびカチオンの最大排泄能(Tm)におよぼすコルヒチン投与の影響を検討した。また、タウロコール酸(TC)によって増加したBSPのTmがに対するコルヒチンの影響も検討した。胆管カニュレーションしたラットの大腿静脈より、BSPを0.2μmol/min/100gで90分間、ICGを0.02μmol/min/100gで120分間、放射性標識エリスロマイシン(EM)を0.1μmol/min/100gで90分間持続投与し、10分ごとに胆汁を採取した。BSPおよびICG濃度は比色法で、EM濃度は放射活性から求めた。これらの物質の胆汁中排泄におよぼすコルヒチン(0.2mg/100gを3時間前に腹腔内投与)の影響を検討した。BSPを0.2μmol/min/100gで、放射性標識TCを0.8μmol/min/100gで90分間同時投与し、BSPとTCの排泄を測定し、これらにおよぼすコルヒチンの影響を検討した。BSPのTmは87±19nmol/min/100g、ICGのTmは、10±3nmol/min/100g、EMのTmは33±5nmol/min/100gであり、これらはコルヒチン投与により変化しなかった。TC投与によりBSPのTmは145±20nmol/min/100gに増加したが、コルヒチン同時投与により78±8と通常レベルに低下した。以上の結果から、BSPおよびEMの排泄がコルヒチン投与により変化しなかったことより、Mrp2やP糖蛋白の毛細胆管膜への組み込みは、コルヒチンにsensitiveな小胞輸送にはよらないものと考えられた。またICGの胆汁排泄機構は不明だが、Tmが生じる量で投与した際も、ICGの排泄はコルヒチン投与により変化なかった。
|
Research Products
(4 results)