2005 Fiscal Year Annual Research Report
TGF-β/Smadシグナル伝達からみた臓器線維症の治療戦略
Project/Area Number |
16590636
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
稲垣 豊 東海大学, 医学部, 助教授 (80193548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 一雄 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (80275247)
渡辺 哲 東海大学, 医学部, 助教授 (10129744)
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Keywords | 臓器線維症 / 肝線維化 / 遺伝子治療 / TGF-β / コラーゲン / 転写調節 |
Research Abstract |
本研究は、線維化組織において増加するI型コラーゲンをコードする遺伝子(COL1A2)のエンハンサー配列を用いてTGF-β/Smadシグナルに対する拮抗抑制因子を線維化組織特異的に強制発現させることで、正常組織に対する悪影響を最小限に留めつつ、局所におけるコラーゲン遺伝子の転写亢進を抑制して、臓器線維症の分子制御を目指すものである。 平成17年度の研究により、in vivoの系で以下の成果が得られた。 1.COL1A2エンハンサーによるGFPの細胞種特異的発現 COL1A2エンハンサーを用いてCre組換え酵素を発現するアデノウイルスと、Creにより介在配列が除かれることでGFPを過剰発現するアデノウイルスを、マウス尾静脈から混注した。正常肝ならびに四塩化炭素単回投与後の傷害肝組織におけるGFPの発現を、共焦点レーザー顕微鏡を用いて観察した。対照としてCAG発現ユニットを用いてGFPを発現させた場合には、正常肝ならびに四塩化炭素投与後の肝組織のいずれにおいても肝実質細胞を中心としてGFPの広範な発現が確認された。これに対して、COL1A2エンハンサーによるGFPの発現は、正常肝組織においては全くみられず、四塩化炭素投与後では主として壊死巣やその周囲の活性化星細胞、すなわちコラーゲンの発現が亢進している細胞に選択的にその発現が確認された。 この際、肝実質細胞や他臓器の細胞にGFPの発現はほとんど認められなかった。 2.COL1A2エンハンサーによる線維化抑制因子の強制発現 上記のCOL1A2エンハンサーを用いて、TGF-β/Smadシグナルに対する拮抗抑制因子YB-1を線維肝組織中の活性化星細胞に強制発現させた。四塩化炭素反復投与により作成した肝線維症マウスに組換え型アデノウイルスを静注したところ、COL1A2プロモーターの活性化が有意に抑制され、組織学的にも肝線維化の進展が阻止された。
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Research Products
(13 results)