2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16590640
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
石井 敬基 日本大学, 医学部, 講師 (20246870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 聰 日本大学, 医学部, 助教授 (80231108)
高山 忠利 日本大学, 医学部, 教授 (30280944)
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Keywords | ^<13>C / 呼気テスト / 膵臓 / 膵臓外分泌障害 |
Research Abstract |
目的:C-末端にL-[1-^<13>C]alanineを導入した^<13>C-ジペプチド呼気テスト(Benzoyl-L-Tyrosyl-[1-^<13>C]alanine以下Bz-Tyr-Ala)による簡易膵外分泌機能検査を考案し、^<13>C-ジペプチド呼気テストで膵外分泌機能障害が診断可能であるかを検討した。 方法と対象:対象患者は慢性膵炎患者30名で、すべての患者は日本膵臓学会の診断基準に基づく確診例であった。平均年齢は57.6歳で、男性:女性は9:1。コントロールには膵炎の既往が無い健常成人17名に呼気テストを施行した。Bz-Tyr-Ala 5mgを7mmolで内服し、10分間隔で90分間呼気を採取した。Bz-Tyr-Ala呼気テストを施行した被験者総てに等mol量の[1-^<13>C]alanine呼気テストとN-benzoyl-L-tyrosyl-p-aminobenzoic acid(以下PFD)試験を施行した。 結果:1)Bz-Tyr-Ala呼気テストにおけるΔ^<13>CO_2の値(‰)は、10、20、30、40、50分値が健常者の値に比べ慢性膵炎患者で有意に低値を示した。2)[1-^<13>C]alanine呼気テストは慢性膵炎患者と健常者の間に有意差を認めなかった。3)Bz-Tyr-Ala呼気テスト30分値及びPFD試験の受動者動作特性曲線(ROC曲線)下面積はそれぞれ0.88(p=0.0021),0.85(p=0.0118)であった。4)PFD試験の結果とBz-Tyr-Ala呼気テストの結果の相関は、20分値で最も高値を示した(r=0.671,p<0.0001)。5)Bz-Tyr-Ala呼気テストの感度、特異度、陽性的中率、陰性的中率は30分値の35‰でPFD試験よりも高値であった。 考察:Bz-Tyr-Ala呼気テストに於ける10分から50分までの呼気中Δ^<13>CO_2の違いは、健常者と慢性膵炎患者の消化管内酵素の違いよる結果であることを示唆する。Bz-Tyr-Ala呼気テストはPFD試験と同等あるいはそれ以上に膵外分泌機能不全が短時間で診断可能であることが示唆された。
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