2005 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞癌におけるMAPKを介するTGF-βシグナル伝達と治療法の開発
Project/Area Number |
16590646
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
松崎 恒一 関西医科大学, 医学部, 講師 (70278638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 寿人 関西医科大学, 医学部, 教授 (70163087)
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Keywords | 肝細胞癌 / TGF-β / Smad |
Research Abstract |
Transforming Growth Factor-beta(TGF-β)シグナル伝達物質Smad3は、リガンド刺激によりI型TGF-β受容体(TβRI)によってリン酸化されたphosphoisoform(pSmad3C)と、JNK/p38MAPKでリン酸化されたphosphoisoform(pSmad3L)に変換される(Histology and Histopathology in press, J Gastroenterol in press)。我々はこれまで、TβRI/pSmad3Cカスケードは、肝細胞など上皮細胞の増殖抑制機構に関与するが、JNK/pSmad3Lカスケードは、活性化肝星細胞など間質系細胞によるECM蓄積や、癌細胞の転移・浸潤に関わっていると報告した(Am J Pathol.166:1029-39,2005,Cancer Res.65:157-65,2005,Oncogene 23:7416-29,2004,Hepatology 38:879-89,2003)。また分化型肝細胞癌では、癌細胞の産生するTGF-βが、Smad2,3を介して肝癌の細胞増殖を抑制しているが、かかる癌細胞において抑制型Smad7がTGF-βによる細胞増殖の抑制作用を阻害していることを報告した。このような肝癌細胞では、TGF-βシグナル伝達の歪みがTGF-βに対する細胞増殖の不応性に関与し、癌細胞の悪性化に深く関わっている事を見出している(Oncogene 22:2309-21,2003)。
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Research Products
(6 results)