2004 Fiscal Year Annual Research Report
血管リモデリングの新たな治療標的としてのCa活性化Kチャネルとその発現調節機構
Project/Area Number |
16590656
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
長谷川 仁志 秋田大学, 医学部, 講師 (70301059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 博之 秋田大学, 医学部, 助手 (80323145)
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Keywords | 血管モデリング / Ca活性化Kチャネル / L-NAME / NFk-B / imidazole / pyrazole系 / clotrimazole / TRAM34 |
Research Abstract |
これまでの研究により、IKcaが、血管炎症とその後の細胞増殖、脱分化等の血管リモデリング成立に連関するとともに、その発現抑制、機能抑制が血管病変形成の治療標的となりうることを示してきた。本研究では高血圧、動脈硬化を中心とした心血管病態時の血管病変形成と血管系細胞、免疫系細胞におけるIKca発現修飾の連関を明らかにするとともに新たな治療標的としてのIKcaの可能性について解析することを目的としている。 1)血管平滑筋細胞、免疫系細胞におけるIKca発現調節の分子機構の解析 ラット大動脈より、explant法により得た培養血管平滑筋細胞を、angiotensinII, PDGFの刺激下に培養し、増殖型へのphenotype変換に伴うBTEB2の発現とIKca発現についての関連および、NO donor、superoxide anionがIKca発現に与える影響について解析した。発現亢進したBTEB2、IKcaは、NO donorにより減少、superoxide anionにより増大傾向を認めた。 2)血管病の基盤病態モデルにおけるIKca発現を指標とした治療薬剤の検索 L-NAME長期投与ラットにおいて、NO低下によるsuperoxide anion産生増加ならびにredox-sensitiveな転写因子で、IKcaのpromotorに対応部位が存在するNFk-B活性化と平滑筋、Tリンパ球におけるIKca発現の関係を検討中である。また、IKca発現、NFk-B活性化の抑制を指標として(1)imidazole/pyrazole系薬剤、clotrimazole, TRAM34(いずれも選択的IKca抑制物質)、(2)statin系薬剤、(3)NS1619の効果を解析したところ、いずれもIKca発現、NFk-B活性化の抑制を認めた。
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