2004 Fiscal Year Annual Research Report
心血管リモデリングにおけるToll like receptorの役割
Project/Area Number |
16590657
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
久保田 功 山形大学, 医学部, 教授 (30161673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹石 恭知 山形大学, 医学部, 助教授 (40272067)
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Keywords | toll-like receptor / remodeling / doxorubicin / atherosclerosis / oxidative stress / innate immunity |
Research Abstract |
Toll like receptor-2ノックアウト(TLR2-KO)マウスおよび野生型(WT)マウスにドキソルビシンを腹腔内に投与した。ドキソルビシン投与後の心臓リモデリングにおけるTLR2の役割をin vivoで検討した。心臓を摘出し、心筋でのサイトカイン産生やアポトーシスの程度の差異についてTLR2-KOとWTマウスで比較した。TLR2-KO群の心筋組織では、有意にtumor necrosis factor-αおよびinterleukin-6といったサイトカインの産生が抑制されていた。転写因子NF-kBの活性は、TRL2-KO群で抑制された。また、TLR2-KO群ではドキソルビシン投与後のcaspase-3の活性は低く、TUNEL染色陽性細胞数は少なく、アポトーシスは抑制された。そしてWTマウスで認められたドキソルビシン投与後の心機能低下と左室拡大は、TLR2-KOマウスでは抑制された。また、ドキソルビシン投与後10日までの生存率は、TLR2-KO群で有意に高かった。以上の結果から、ドキソルビシン投与後の心臓リモデリングにTLR2が関与していることが明らかになった。 TLR2およびTLR4のノックアウトマウス、WTマウスを麻酔後、大腿動脈を周囲組織より剥離し、長さ2mmのポリエチレンチューブで大腿動脈を覆い、糸でチューブを固定した。術後2週および4週に大腿動脈を摘出、光学顕微鏡用切片を作成した。作成された切片をAzan-Mallory染色し、画像分析ソフトウエア(NIH image)を用いて内膜および中膜の面積を計測、内膜/中膜比を算出した。TLR2-KOマウスでは内膜/中膜比がWTマウスより有意に低く、内膜増殖が抑制されていた。
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Research Products
(6 results)