2005 Fiscal Year Annual Research Report
心血管リモデリングにおけるToll like receptorの役割
Project/Area Number |
16590657
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
久保田 功 山形大学, 医学部, 教授 (30161673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹石 恭知 山形大学, 医学部, 助教授 (40272067)
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Keywords | toll-like receptor / remodeling / dxorubicin / atherosclerosis / oxidative stress / innate immunity |
Research Abstract |
TLR-2ノックアウトマウス、野生型(wild-type)マウスの大腿動脈を長さ2mmのポリエチレンチューブ(内径0.86mm)で覆い、糸でチューブを固定した。昨年度の検討では、術後2週および4週に大腿動脈を摘出たところ、TLR-2ノックアウトマウスで内膜/中膜比が低下していた。そこで、大腿動脈からRNAを抽出しinterleukin-1β(IL-1β)、interleukin-6(IL-6)、tumor necrosis factor (TNF)-αなどの炎症性サイトカインやmonocytechemoatractant protein-1(MCP-1)などのケモカインのmRNA発現をRT-PCR法を用いて検討した。TLR-2ノックアウトマウスの血管では、内膜増殖抑制に伴い、IL-1β、IL-6、TNF-α、MCP1の発現がwild-typeマウスに比し抑制されていた。以上の結果から、TLR-2が反応性の炎症性サイトカイン、ケモカインの遺伝子発現を制御することで、内膜増殖を抑制したことが明らかになった。 次にTLR-2ノックアウトマウスとwild-typeマウスの皮下にミニポンプを植え込み、アンジオテンシンIIを持続投与した。また大動脈バンディング手術を行い、圧負荷に対する心肥大形成についても実験を行った。まだ検討中であるが、TLR-2ノックアウトマウスではアンジオテンシンIIや圧負荷に対する心肥大反応が、wild-typeマウスに比較し低下する傾向を認めている。 これまでの本研究の結果から、TLR-2を介する自然免疫は感染防御のみならず、心血管のリモデリングに関与することが示唆された。
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Research Products
(6 results)