2004 Fiscal Year Annual Research Report
メタボリック症候群における血管-脂肪細胞連関の転写制御・情報伝達の解明と治療応用
Project/Area Number |
16590661
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
眞鍋 一郎 東京大学, 大学院・医学系研究科, 科学技術振興特任教員 (70359628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 良三 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60207975)
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Keywords | 動脈硬化 / 平滑筋細胞 / 転写因子 / メタボリック症候群 / siRNA / 組織リモデリング / 脂肪細胞 / 肥満 |
Research Abstract |
メタボリック症候群では、肥満、耐糖能異常、脂質代謝異常、高血圧などの冠動脈疾患危険因子が相互に関連し、冠動脈疾患のリスクを高める。メタボリック症候群においては、血管壁に対する直接的な物理化学的あるいは代謝的なストレスだけではなく、脂肪組織を含む多様な臓器から分泌される液性因子が、病態形成に重要である。本研究計画ではメタボリック症候群における血管-脂肪組織の臓器連関と血管病態形成のメカニズムに関して、各細胞での転写制御とアディポサイトカインによる情報伝達に着目して明らかとする。脂肪細胞機能の転写制御に関しては、平滑筋形質変換に重要な転写因子KLF5が脂肪細胞分化に必要なことを見いだした。KLF5はC/EBPによって発現誘導され、PPARγの発現を制御することによって、脂肪細胞分化の転写ネットワークで重要な機能を果たす。さらに、成体においても全身の代謝制御に重要であることを見いだした。脂肪細胞から分泌され、血管壁細胞に作用すると考えられているアディポネクチンについて、血管平滑筋細胞においてKLF5の発現誘導を阻止する作用を持つことを見いだした。この作用のシグナルではC/EBPが重要であり、平滑筋細胞と脂肪細胞において類似の転写ネットワークが機能していることが示唆された。また、KLF5の機能発現に、C/EBP、CBP/P300、PGC-1等の転写因子およびコファクターとの相互作用が重要である結果を得た。KLF5の機能制御を治療に結びつけるために、まずsiRNAによるKLF5機能抑制を試み、脂肪細胞において分化を阻害することに成功した。KLF5を中心とした転写ネットワークが平滑筋細胞と脂肪細胞の両方で機能していることが明らかになったことより、この転写ネットークの解明によって、共通した情報伝達系路・臓器連関が明らかにされることが期待される。
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Research Products
(4 results)