2004 Fiscal Year Annual Research Report
心臓バイオペースメーカーの基礎的研究-遺伝子導入によるペースメーカー細胞の作成-
Project/Area Number |
16590672
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
因田 恭也 名古屋大学, 医学部付属病院, 講師 (10359747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
室原 豊明 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90299503)
近藤 隆久 名古屋大学, 医学部付属病院, 講師 (00303644)
高田 康信 名古屋大学, 医学部付属病院, 医員 (80378067)
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Keywords | ペースメーカー細胞 / イオンチャンネル / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
洞結節細胞が自動能を有しているのは、内向き整流カリウムチャンネルが欠如しさらに過分極誘発内向き電流チャンネルが存在していることにより、第4相拡張期脱分極が起こるためである。この過分極誘発内向き電流チャンネルは、HCN遺伝子ファミリーによって規定されており、このHCN遺伝子ファミリーのなかのHCN2およびHCN4遺伝子の抽出が必要である。 現在までこれらの遺伝子を既知の遺伝子コードを用いて再合成、あるいは心筋あるいは脳組織から抽出することにより、HCN2およびHCN4遺伝子を作成中である。 また遺伝子を抽出した後に、細胞に遺伝子を導入し、過分極誘発内向き電流チャンネルの発現を確認する必要がある。ラット新生児心筋細胞培養法は、既に確立した方法により行っており、後2-3日の新生児ラットより心室細胞をトリプシン処理にて単離し、細胞はTyrode液にて処理したのち、10%ウシ胎児血清存在下のDMEMにて培養、拡張(cell expansion)している。 イヌにおいてカテーテルアブレーションにより、右心房中隔で完全房室ブロックの作成を試み、これまでその作成に成功している。さらに心房心室にペースメーカーリードを留置し、ペースメーカーにて長期間生存し、心不全や他の合併症も伴わずにフォローが可能であることが確認された。 現在まで、HCN遺伝子を確保することに努力してきたが、遺伝子抽出にことのほか難渋している。
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