2005 Fiscal Year Annual Research Report
拡張型心筋症・心筋炎における左室形態・機能変化の免疫学的解明と再生医療法の開発
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16590678
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西尾 亮介 Kyoto University, 医学研究科, 助手 (00335275)
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Keywords | 心筋症 / 心筋炎 / 心不全 / 心機能 / 免疫 |
Research Abstract |
拡張型心筋症やウイルス性心筋炎の病態に免疫系が深く関与しているが、それら疾患における左室の形態変化や機能変化と免疫系との関連に関しては不明な部分が多い。サイトカイン、ケモカイン等はオートクラインまたはパラクラインとして作用しており、これら物質の病態への関与を考えた場合、より臓器特異的で持続的な遺伝子発現が病態解明に不可欠と考えられる。今回我々は、ウイルス性心筋炎マウスモデルの慢性期と拡張型心筋症モデルを用い、左室形態および機能変化と免疫系との関連につき、サイトカインを中心に解析を行うことを目的とした。一方、我々は遺伝子導入のみならず、マウスにおける経血管的な心筋への細胞移植医用デバイスを開発中である。幹細胞、繊維芽細胞等の移植による拡張型心筋症および心筋炎の左室形態・機能変化に及ぼす影響を検討することを目的とした。拡張型心筋症および心筋炎において、左室拡大を中心とした形態変化の抑制をターゲットとした、再生医療法への発展を目的とした。 遺伝子導入による慢性的な免疫系遺伝子発現のEMCウイルスによるウイルス性心筋炎モデルマウスの慢性期におよぼす左室形態・機能変化との関連の検討:平成16年度に行った実験を発展させ、種々の免疫系遣伝子発現の慢性的な影響を分子レベルで解析した。また、コンダクタンスカテーテルを用い、経血管的に左室圧容積関係から形態的・機能的変化への影響を検討した。 再生医療用ニューデバイスへの発展:現在、拡張型心筋症の治療は心臓移植が最も効果的であるが、日本においてはドナー等の問題があり、受けられる症例数はごく少数に限られる。心移植に代わる治療法として再生医療が、拡張型心筋症の治療においても期待されている。その具体的な方法として心臓カテーテル法を応用したインターベンションの技術による細胞移植の方法が考えられる。我々はマウス心臓カテーテル法における、マイクロカテーテル技術を応用し、マイクロニードル、マイクロバルーン、マイクロカテーテルを用いて、マウスにおける再生医療用デバイスを同時に開発した。そして、マウスでの動物実験を通じて、臨床応用可能な再生医療のためのインターベンション技術とニューデバイスへの発展に結びつけることを予定している。
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Research Products
(2 results)