2005 Fiscal Year Annual Research Report
増殖因子結合蛋白としてのメタロブロテアーゼの病態生理学的意義の解明
Project/Area Number |
16590680
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西 英一郎 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30362528)
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Keywords | 細胞外ドメインシェディング / 増殖因子 / サイトカイン / メタロプロテアーゼ / ADAM / Nardilysin / HB-EGF / TNF-α converting enzyme |
Research Abstract |
膜近傍部における蛋白分解により、膜貫通型蛋白質の細胞外ドメインが不可逆的に切断される現象を、細胞外ドメインシェディングという。増殖因子、サイトカインの前駆体、受容体、接着分子など多岐にわたる膜蛋白質がシェディングされるという事実は、この翻訳後修飾が広範な膜蛋白質の生理活性を調節していることを意味している。また、細胞外ドメインシェディングは様々な刺激で誘導されることから、生体では厳密な制御下におかれ、重要な生理的役割を担うものと思われる。しかしながら、生体における細胞外ドメインシェディングの機能はまだ充分明らかにされていない。当研究は、メタロプロテアーゼのM16ファミリーに属するNardilysin(NRDc)を、EGFファミリーに属するヘパリン結合性EGF様増殖因子(HB-EGF)の新規結合蛋白質として同定したことに端を発する。HB-EGFは膜結合型の前駆体として生成され、細胞外ドメインシェディングを受けて分泌型となるが、このシェディングが、HB-EGFの生体内における機能を厳密に制御していることが明らかになってきている。 今回我々はNRDcがHB-EGFの膜貫通型前駆体とも結合すること、NRDcがHB-EGFのシェディングを強力に増強することを新たに見出した。更に、NRDcがTNF-α converting enzyme(TACE, ADAM17)と会合すること、TACEの活性を増強することも明らかになった。本年度は更に、NRDcがHB-EGF以外の膜蛋白質のシェディングも増強すること、TACE以外のADAMプロテアーゼの活性化因子でもあることなどを明らかにしている。当初計画していたNRDc欠損マウスの作製は難渋を極めたが,漸くキメラマウスが得られ,生体におけるNRDcのシェディング誘導への関わりを明らかにできるものと考えている。
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Research Products
(3 results)