2004 Fiscal Year Annual Research Report
日本人に特徴的な冠攣縮性虚血性心疾患の遺伝要因の解析と分子病態の解明
Project/Area Number |
16590696
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小池 城司 九州大学, 大学病院, 助手 (90325522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市来 俊弘 九州大学, 大学病院, 助手 (80311843)
下川 宏明 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (00235681)
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Keywords | 虚血性心疾患 / 冠動脈縮攣 / SNP / 遺伝解析 / Rhoキナーゼ |
Research Abstract |
心筋梗塞に代表される虚血性心疾患の原因としては主に動脈硬化と冠動脈攣縮の2つに大別される。特に冠動脈攣縮は日本人に特徴的(欧米人と比較して頻度が3-4倍高い)であり、冠動脈攣縮の原因遺伝子を同定することは我が国における国民の福祉にとって重要であると考える。そこで本研究では冠動脈攣縮患者(冠攣縮性狭心症および微小血管狭心症)群・対照群のDNAを用いて、候補遺伝子アプローチによりその原因遺伝子同定を目的としている。これまでに冠攣縮性狭心症162例、微小血管狭心症61例、対照群61例のDNAを集めることができた。これまでに本研究で新規に同定したSNPsも含めたプロテインキナーゼC・Rhoキナーゼを含むシグナル伝達機構の遺伝子群、レニン・アンジオテンシン系遺伝子群、血管内皮型一酸化窒素合成酵素遺伝子のSNPsを用いて遺伝解析を行い、ROCK2G930T(Rhoキナーゼの触媒ドメイン内のSNPs)が冠動脈攣縮と相関することを明らかにした。培養ヒト冠動脈血管平滑筋細胞を用いて、そのSNPによりRhoキナーゼの活性が増強することを明らかにした。このことからRhoキナーゼの変異により冠動脈攣縮が生じることが示唆された。ただし、これだけですべての冠動脈攣縮を説明することができないため、他の候補遺伝子についても検討しているところである。特に喫煙が冠動脈攣縮の重要な危険因子であることから、各種酸化ストレル関連の候補遺伝子についても、それらのSNPsを用いた遺伝解析を行っているところである。
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