2005 Fiscal Year Annual Research Report
Cre-loxPシステムを用いた組織レニン-アンジオテンシン系の病態生理学的解析
Project/Area Number |
16590704
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Research Institution | Yokohama City University (YCU) |
Principal Investigator |
梅村 敏 横浜市立大学, 医学部, 教授 (00128589)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深水 昭吉 筑波大学, 応用生物化学系, 教授 (60199172)
木原 実 横浜市立大学, 医学部, 準教授 (60177904)
田村 功一 横浜市立大学, 医学部, 準教授 (40285143)
橋本 達夫 横浜市立大学, 医学部, 助手 (20363806)
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Keywords | アンジオテンシノーゲン / 腎臓 / 組織レニン-アンジオテンシン系 / マウス |
Research Abstract |
loxP導入アンジオテンシノーゲン遺伝子マウスの作製(未発表)。 アンジオテンシノーゲン遺伝子の機能ドメインであるexon2領域をloxPではさんだloxP導入アンジオテンシノーゲン遺伝子を用いたターゲティングベクターを作製し、エレクトロポレーション法を用いてマウスES細胞に遺伝子導入し、相同組み換え体をサザンブロット法にて選びだした。相同組み換え体であるES細胞を、ICRマウス8細胞期胚にマイクロインジェクションし、得られたキメラマウスを用いて相同組み換え体マウスの作製を行っており、ヘテロ接合体が得られており、現在ホモ接合体の作製を行っている段階である。本テーマについては、遺伝子改変マウスを用いた解析に加え、siRNAを用いた腎臓特異的アンジオテンシノーゲン遺伝子抑制モデルの作製を試みており、現在のところ有効な遺伝子発現抑制が得られている。以上、遺伝子改変マウスと遺伝子抑制モデルの二つのモデルを用いて、腎臓レニン-アンジオテンシン系の病態生理学的解析を行っており、今後1年以内に研究成果を発表する計画である。 組織レニン-アンジオテンシン系の病態生理学的解析 アンジオテンシノーゲン遺伝子欠損マウス(Atg-KO)を用いて、腎臓緻密斑におけるシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)の発現について検討した。Atg-KOの腎臓緻密斑では、COX-2発現が著明に亢進していた。この亢進は高食塩食負荷で抑制された。また、この亢進は神経型一酸化窒素合成酵素(nNOS)阻害薬である7-nitroindazole投与によっても抑制された。腎臓緻密斑におけるCOX-2は、アンジオテンシンII、高食塩食およびnNOSによって制御されている可能性が示唆された(Nephron Physiol,2006)。昨年度はI型アンジオテンシン受容体遺伝子欠損マウスを用いた、腎臓におけるレニン-アンジオテンシン系(RAS)についての解析について報告したが(J Am Soc Nephrol,2004)、今年度はAtg-KOを用いて、腎臓における内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)の発現について検討した。Atg-KOの腎臓では、食塩摂取量の変化や血圧変化によるeNOS発現の変化が正に調節されていた。Atg-KOの心臓や肝臓ではこのような変化はみられず、野生型マウスの腎臓でもみられなかった。腎臓RASは、食塩摂取量の変化や血圧変化によるeNOS発現を一定に保つのに必須である可能性が示唆された(Cell Tissue Res,2006)。また、腎臓RASの調節に直接関わりのあるAT1 receptor-associated protein(ATRAP)の腎臓における発現部位について、AT1受容体発現部位との関連を含めて解析した(Kidney Int,2006)。さらに、腸炎におけるRASの関与を検討し、Atg-KOでは病変の形成が抑制されていることを見出した(Gut,2005)。本研究によってさまざまな組織における組織RASの関与を明らかにした。このことは本研究の関連する疾患におけるRAS抑制の有用性を示唆するものである。
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Research Products
(6 results)