2004 Fiscal Year Annual Research Report
慢性心不全に対する細胞移植治療効果向上のための検討
Project/Area Number |
16590710
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
葭山 稔 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (30240956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大村 崇 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (70295707)
吉川 純一 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60275245)
竹内 一秀 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80117952)
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Keywords | Myocatrdial infarction / Remodeling / Cell therapy / Stem cell / Signal transduction / Echocardiography |
Research Abstract |
心血管病の病態の基礎的な理解が飛躍的に深まり、薬物治療がめざましく進歩しているにもかかわらず、心不全による死亡者数は年々増加の一途をたどっている。そして、心臓移植以外に治療法のない重症心不全患者が多数存在し、提供臓器を待ちきれぬまま死亡している。今日、臓器移植に代わる新しい有望な治療法として細胞移植治療が出現してきた。心筋細胞は受胎中に増殖し徐々に成熟するが、生後まもなく細胞周期のG1期に入り、最終分化を遂げる。つまり生後まもなく成熟心筋細胞として機能すると同時に増殖能を失う。ゆえに、一般的に心筋梗塞などの虚血性心疾患にて心筋組織がひとたび損傷をうけると、心筋細胞は自身で再生することができない。今回の実験の目的は、心筋細胞への分化能を有する骨髄由来の体性幹細胞をin vitroで効率良く心筋細胞に分化誘導できそして心筋組織にて効率よく定着できる方法を検討することであった。心臓は拍動と心電現象が心臓特有の環境であり、我々はこのような機械的因子が幹細胞の心筋細胞への分化誘導に関与している仮説を有する。今回、in vitroの研究では、骨髄からの体性幹細胞を取り出しその心筋への分化に関しての機械的因子の役割を検討し、一方、心筋分化に関与する転写因子を細胞内に導入することによる心筋細胞分化への効果も合わせて検討した。In vivoの研究ではマウス、ラットを用いて細胞移植による心筋梗塞後心不全に対する効果を検討し、その効果を超音波照射と超音波造影剤の同時使用により増幅されるかどうかを検討した。結果としては、細胞移植により心筋梗塞後心室リモデリングは抑制され、心機能低下を防ぐことができた。また、超音波照射と超音波造影剤の同時使用により細胞移植の定着率が向上した。
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Research Products
(6 results)