2005 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄抑制剤併用G-CSF療法は心筋梗塞組織の再生を促進し、心機能を著名に改善する
Project/Area Number |
16590721
|
Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
藤原 兌子 京都女子大学, 家政学部, 教授 (80111897)
|
Keywords | 骨髄抑制剤 / G-CSF / 併用療法 / 心筋細胞再生 / DiI / MMP |
Research Abstract |
研究II:骨髄抑制剤+G-CSF併用療法効果の分子メカニズム 昨年度の研究で骨髄抑制剤+G-CSF併用療法群で心機能改善効果ならびに抹消血のCD34陽性細胞数が著しく高いことを報告した。本年度はそのメカニズムを解明するために以下のことを行った。 対象および方法 日本産日本白色種オスのウサギを昨年度と同様に4群に分ける(骨髄抑制剤+G-CSF併用療法群;G-CSF単独療法群;骨髄抑制剤単独療法群;非治療梗塞群、各群n=10)。 結果および考察 1.骨髄細胞をDiI(赤色の蛍光色素)でマーカーした後、梗塞7日目に摘出したモデルウサギ心の共焦点レーザー顕微鏡の観察において、骨髄由来(DiI陽性)の心筋細胞および血管内皮細胞は非治療梗塞群でもっとも少なく、G-CSF単独療法群および骨髄抑制剤単独療法群で次に多く、骨髄抑制剤+G-CSF併用療法群でもっとも多かった。しかし、その頻度は骨髄抑制剤+G-CSF併用療法群でも1-2%程度で、心機能改善効果を説明するには少なすぎると思われる。 2.梗塞7日目に摘出した心筋組織のVEGFおよびMMP-1のウエスターンブロット解析では非治療梗塞群がもっとも少なく、骨髄抑制剤+G-CSF併用療法群がもっとも多かった。 3.梗塞28日目に摘出したモデルウサギ心では左室重量および心筋細胞のサイズに4群間で差がなかった。しかし、陳旧性梗塞領域は非治療梗塞群で最大で、骨髄抑制剤+G-CSF併用療法群で最小であった。また、CD31陽性毛細血管およびα-平滑筋アクチン陽性筋線維芽細胞数は非治療梗塞群でもっとも少なく、骨髄抑制剤+G-CSF併用療法群でもっとも多かった。 以上より、骨髄抑制剤+G-CSF併用療法群での高度の心機能改善効果の成因には骨髄由来の心筋細胞再生と共に、MMP等のサイトカインの関与が考えられる。
|
Research Products
(3 results)