2004 Fiscal Year Annual Research Report
波長分散型X線マイクロアナライザーと免疫組織化学を用いた間質性肺炎の病理学的検討
Project/Area Number |
16590740
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
鈴木 榮一 新潟大学, 医歯学総合病院, 教授 (30187710)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 俊範 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (40361919)
渡辺 孝一 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (20018766)
|
Keywords | 超硬合金肺 / X線マイクロアナライザー / 免疫組織化学 / 間質性肺炎 |
Research Abstract |
1 症例の選択 (1)当科外来および入院患者で、病歴、臨床症状、検査成績から超硬合金肺(HMLD)が疑われる患者を選択した。 (2)上記症例のうち、全身状態、呼吸機能検査から肺生検が可能と判断され、書面でのインフォームドコンセントが得られた症例から、胸腔鏡下肺生検で、肺組織を採取した。また他施設から元素分析を依頼された症例の肺生検検体も解析対象に加えた。吸入歴のない肺癌手術症例の切除肺非癌部を正常対象として解析した。 2 波長分散型X線マイクロアナライザー(EPMA)解析 (1)検肺組織の元素マッピングを行った。HMLDが疑われている症例でW(タングステン)が証明されれば、HMLDと診断した。なお本解析方法は他施設では行われておらず、特許申請を行っている(特願2004-293053号、発明者;小林正義、渡辺孝一『生体組織中の微量元素分析装置、試料台及びこれを用いた分析方法』)。 (2)通常のHEあるいはEVG染色標本とWの分布マップとを比較することにより、HM(W)はGIPおよびUIP様病変の、主に線維化巣内および血管細気管支周囲に存在することが明らかになった。正常対象肺ではWは検出されなかった。 3 免疫組織化学 (1)HMLDの浸潤炎症細胞の表面マーカーを検討するため、抗CD4、抗CD8、抗CD14、抗CD20、抗CD68、抗CD163、抗CD204モノクローナル抗体を用いて免疫染色を行った。Wの分布はほぼCD163陽性細胞に一致しており、その周囲に多数のCD8陽性細胞を認めた。 (2)組織内の部位ごとの各炎症細胞の分布については、現在検討中である。
|
Research Products
(1 results)