2005 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素性肺高血圧症成立における内因性NO,PGI2の役割の分子生物学的研究
Project/Area Number |
16590743
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
石崎 武志 福井大学, 医学部, 教授 (80151364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飴嶋 慎吾 福井大学, 医学部附属病院, 講師 (60262614)
出村 芳樹 福井大学, 医学部附属病院, 助手 (60313764)
水野 史朗 福井大学, 医学部, 助手 (80397281)
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Keywords | 低酸素 / NOドナー / PGI2アナログ / ヒト肺動脈平滑筋細胞 / p21 / p27 / p53 / p53ノックアウトマウス |
Research Abstract |
1)ノルモキシア下でのNO,PGI2アナログのヒト肺動脈平滑筋細胞(HPASMC)の増殖抑制効果を検討した。HPASMCNO,PGI2アナログ存在/非存在下24時間培養して後、チミジン取り組みとフローサイトメーターによる細胞周期の検討、LightCyclerによるreal-time RT-PCR、および、ウエスタンブロット法によるp21,p27,p53 mRNAと蛋白発現を検討した。HPASMCのDNA合成能が低下し、G0/1期で細胞周期が抑制された。そしてp21とp27の蛋白発現は増強した。 2)0.1%,2%低酸素下でHPASMCを培養しNO,PGI2アナログ非存在下、1)と同様の検討を加えた。0.1%低酸素下ではG0/1期で細胞周期が抑制されたが、2%低酸素下ではDNA合成能は増加し、細胞周期は進行した。0.1%低酸素下ではp21 mRNA発現が増加し、2%低酸素下では逆に低下した。 3)2%低酸素環境下でのNO,PGI2アナログのヒト肺動脈平滑筋細胞(HPASMC)の増殖抑制効果を検討した。HPASMCをNO,PGI2アナログ存在/非存在下24時間培養して後、BrdUの取り込み、フローサイトメーターによる細胞周期の検討、LightCyclerによるreal-time RT-PCR、および、ウエスタンブロット法によるp21,p27,p53 mRNAと蛋白発現をノルモキシア下、2%低酸素下でそれぞれ検索した。結果はNO,PGI2アナログすべてBrdU取り込みを抑制し、G0/1期で細胞周期が停止した。2%低酸素下NOドナーはp21 mRNAの誘導、p21,p53蛋白の発現亢進を、PGI2アナログはp27蛋白発現を有意に増強した。 4)p53ノックアウトマウスを低酸素暴露室で8週間飼育して肺小動脈肥厚程度を同様条件下で飼育した野生型マウスのそれと比較検討した。結果はp53ノックアウトマウスの肺小動脈肥厚度がより大であった。 以上の結果は、低酸素による細胞増殖機序にはCDKインヒビターのp53、p21、p27の活性抑制が関与していることと、NO,PGI2アナログはそれを是正する作用があることを示唆する。
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Research Products
(5 results)