2004 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性肺疾患の組織リモデリングにおける血液凝固因子の役割
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16590745
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
田口 修 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (90197244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GABAZZA Esteban 三重大学, 医学部, 助手 (00293770)
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Keywords | 肺線維症モデル / Th2サイトカイン / 気道過敏性 / 気管支喘息モデル / トロンビンレセプター / 肺障害 / 間質性肺疾患 / 喘息の発症 |
Research Abstract |
平成16年度は、トロンビンレセプター(PAR-1)ノックアウト、thrombin-activatable fibrinolysis inhibitor(TAFI)ノックアウト、Wild-typeの3種類のマウスを用いて気管支喘息と肺線維症モデルを作製し、炎症性肺疾患におけるPAR-1及びTAFIの関与を検討した。 1)肺繊維症モデルの作成と解析:背部の皮下に埋め込んだ浸透圧ポンプを用いて3種類のマウスにbleomycinを4週間皮下投与し、肺線維症モデルを作製した。Whole body plethysmography(Buxco社製)を用いて呼吸機能を測定し、血液、気管支肺胞洗浄液(BALF)、肺組織を採取した。BALF中のTNF-α、IL1-βなどの炎症性サイトカイン量と組織学的変化を3種類のマウス間で比較検討した。その結果PAR-1ノックアウト及びTAFIノックアウトマウスでは肺線維症の形成とBALF中の炎症性サイトカインの濃度がwild-typeマウスにくらべ有意に低下した。 2)気管支喘息モデルの作製と解析:(TAFI)ノックアウトとwild-typeの2種類のマウスに、ovalbuminの腹腔内投与で感作後ovalbuminを5日間吸入させて急性気管支喘息モデルを作製した。Whole body plethysmographyで気道過敏性を測定し、BALF中のIL4,IL13などのTh2サイトカインや好酸球数を定量する。その結果、(TAFI)ノックアウトマウスではwild-typeマウスにくらべ気道過敏性の程度とBALF中のTh2サイトカインの濃度は有意に高値を示した。 以上の結果よりトロンビン受容体のPAR-1及びTAFIは肺障害と気道炎症の病態形成に重要な役割を果していることが明らかになった。
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Research Products
(6 results)